
調査の依頼で来られた方が、家では話せなかったことを話される。その距離感について書きます。
この仕事の役割は、事実を確かめて記録することです。
心の相談を受ける専門ではありません。それでも、実際にはよく話を聞いています。その距離感について書きます。
なぜ、話す場になるのか
理由は、はっきりしています。
この話は、身近な人には話しにくいからです。親には心配をかける。友人には広まる恐れがある。職場では話せない。話せる場所が、どこにもない。
そこに、事情を全部知っていて、生活圏の外にいる人間がいる。だから、話す場になります。

できることと、できないこと
線は引いています。
できるのは、聞くこと。事実を整理すること。次に何ができるかを一緒に考えること。
できないのは、心の治療。法律の判断。そして、生き方を決めること。
心身の状態が心配なときは、医療にかかることをおすすめします。実際、そう申し上げたことがあります。
助言をしすぎない
気をつけていることがあります。
「別れたほうがいい」「許したほうがいい」といったことは言いません。それは、こちらが決めることではないからです。
事実をお伝えし、選べる道を並べる。そこまでにしています。
同情を、口にしない
もう1つ、気をつけていることがあります。
「大変でしたね」「ひどい相手ですね」。この種の言葉は、なるべく使いません。
言われて楽になる方もいますが、決めつけになる面があります。相手のことをどう思うかは、その方が決めることです。
ただ、黙って聞くことはします。相づちを打ちながら、最後まで聞きます。
調査が終わったあとも
調査が終わって、報告書をお渡ししたあとも、連絡をいただくことがあります。
「弁護士にこう言われたのですが」「相手がこう言ってきたのですが」。手続きそのものはできませんが、話を聞くことはできます。
こういう連絡は、断りません。1つの案件が終わっても、その方の状況が終わったわけではありませんので。
相談だけで終わる方
繰り返しになりますが、相談だけで終わる方がたくさんおられます。
話して、整理がついて、「もう少し様子を見ます」と帰られる。それが、いちばん多い形です。
それでいいと思っています。読んで、話して、自分で解決できるなら、それがいちばんいいことですので。
この場所に書いている理由
最後に、なぜこの場所に文章を書いているかを、少しだけ。
相談に来られる方の多くが、何か月も一人で抱えておられます。その期間を、少しでも短くしたいと思っています。
読んで、自分で解決できるなら、それでいい。依頼が増えなくても構いません。抱えている時間が短くなるほうが、大事だと思っています。
聞くことは、仕事の一部でもあります
話を聞くのは、優しさからだけではありません。実務上の意味もあります。
話の中に、調査に必要な情報が入っているからです。本人が重要だと思っていないことが、いちばん効くことがあります。
「そういえば、去年の秋に部署が変わって」「毎月20日ごろに、必ず遅くなる」。こういう一言が、候補日を決めます。
ですから、関係なさそうだと思うことも、話していただいて構いません。取捨は、こちらでします。
話せる相手を、複数持ってください
最後に、これだけ書いておきます。
こちらだけを頼りにしないでください。調査が終われば、こちらとの関係は終わります。そのあとの時間のほうが、ずっと長いです。
公的な相談窓口、弁護士、医療。そして、事情を知らなくても一緒にいてくれる人。この4つを、少しずつ持っておいてください。
一人に集中させると、その人がいなくなったときに支えがなくなります。分けておくほうが、長く持ちます。
よくあるご質問
調査を頼まないのに、何度も相談してもいいですか。
構いません。状況が変わるたびに連絡をいただいて結構です。
話を聞いてもらうだけで、費用はかかりますか。
かかりません。相談で費用をいただくことはありません。
気持ちの整理がつかないまま、相談してもいいですか。
そのほうが多いです。整理をつけるために話す、という使い方をしてください。
相談だけで終わって、大丈夫です。話を聞いた私が、そのまま夜の現場に出ます。
お電話は9時から21時まで受け付けています。最初の一言は「相談したい」だけで構いません。