
証拠が力を発揮するのは、裁判の場だけではありません。実際に効く場面を書きます。
証拠を集めても、裁判をするとは限りません。
実際には、裁判まで進む例は多くありません。では、どこで効くのか。それを書きます。
1 相手が認めるとき
いちばん多いのが、この場面です。
証拠を示された相手は、否定できなくなります。それまで何を言っても認めなかった人が、認める。これが、いちばん多い効き方です。
認めれば、そこから話し合いが始まります。認めないままでは、話し合いになりません。

2 相手方が態度を変えるとき
相手方も同じです。
「知らなかった」「そんな関係ではない」と言っていた人が、記録を示されると変わります。とくに、相手方に配偶者や家族がいる場合、変化が大きいです。
弁護士から通知が届く。そこに調査の結果が添えられている。この形になると、多くの場合、応じてきます。
3 相手の家族が動くとき
これは、あまり語られない効き方です。
相手方の親や配偶者が事実を知ったとき、家族の側から本人に働きかけることがあります。本人が応じなくても、周りが動くことで話が進む。そういう場面があります。
ただし、この使い方には注意が要ります。伝え方を誤ると、名誉毀損の問題になります。弁護士を通してください。
4 条件を決めるとき
話し合いに入ったあと、条件を決める場面でも効きます。
慰謝料の金額、支払いの方法、接触しないという約束。証拠があるほうが、こちらの条件が通りやすくなります。
「争えば負ける」と相手が分かっている状態だからです。
5 こちらが納得するとき
最後に、いちばん大事な効き方を書きます。
自分自身が、納得できるということです。
何年も疑いを抱えて、それでもはっきりしないまま過ごす。これがいちばんつらいと、多くの方が言われます。
事実が分かれば、続けるにしても離れるにしても、自分で決められます。決めたことは、あとで引きずりにくくなります。
裁判になる場合
争いになった場合の話も書いておきます。
調停や訴訟では、証拠が形式面でも問われます。日時が記録されているか、加工されていないか、経緯が一貫しているか。
ですから、報告書は加工せずにそのまま保管してください。写真も、元のデータを残しておいてください。
使わないという選択
集めた証拠を、使わないこともあります。
結果を見て、関係を続けると決めた。あるいは、争わずに終わらせると決めた。それも、正しい使い方です。
使わなかったから無駄だった、ということはありません。決めるために必要だったのですから。
効かない場面もある
公平に、効かない場面も書いておきます。
相手が開き直っている場合、証拠を示しても態度が変わらないことがあります。「だから何だ」で終わる。これは実際にあります。
その場合、話し合いでは進みません。弁護士を立てて、手続きの中で進めることになります。
それでも、証拠があること自体は無駄になりません。手続きに入ったときに、必要になるからです。
使う順番を、間違えない
もう1つ、大事なことを書きます。
証拠は、いちばん効く場面で、一度に使ってください。小出しにすると、そのつど言い訳をされ、効き目が薄れます。
そして、使う前に必ず弁護士に見ていただいてください。使い方を誤ると、こちらの立場が悪くなることがあります。
手元にあるものを早く使いたくなる気持ちは分かります。ただ、そこを我慢できた方のほうが、結果はよくなっています。
よくあるご質問
相手に、証拠があることだけ伝えてもいいですか。
伝え方によります。中身を見せる前に伝えると、隠す時間を与えることになります。弁護士と相談して決めてください。
証拠を見せたら、逆上されませんか。
可能性はあります。ですので、二人きりの場では見せないでください。弁護士を通す形が、いちばん安全です。
調停でも使えますか。
使えます。むしろ、調停の場では、事実がまとまった書面があるほうが話が早く進みます。
相談だけで終わって、大丈夫です。話を聞いた私が、そのまま夜の現場に出ます。
お電話は9時から21時まで受け付けています。最初の一言は「相談したい」だけで構いません。