
最初に浮かぶ疑いは、必ずしも不倫ではありません。順序を知っておくと、自分の状況が見えやすくなります。
相談の入口は、いつも不倫とは限りません。
「お金の使い方がおかしい気がする」「何か隠している気がするけれど、女性関係だとは思っていない」。そういう形で始まることが、実はよくあります。
なぜ、先にお金を疑うのか
理由はいくつかあります。
ひとつは、お金のほうが目に見えるからです。通帳、明細、財布の中身。数字は動きが分かります。
もうひとつは、そのほうが受け入れやすいからだと思います。お金の問題なら、まだ立て直せる気がする。相手の心が別のところにあるという可能性を、最初から正面に置くのは、しんどいのです。

そして、途中で像が変わる
調べ始めると、多くの場合、こういう順番をたどります。
1 使途の分からない出費が見つかる。金額は大きくないことが多いです。数千円から一万円台。
2 頻度に規則がある。月に2、3回。曜日が寄っている。
3 場所が分かる。明細に店名が出て、それが飲食店や宿泊施設だと分かる。
4 像が変わる。ここで初めて、疑いの中身が入れ替わります。
この4番のときの気持ちは、ご本人にしか分からないものだと思います。それまで「借金だったらどうしよう」と思って調べていたものが、まったく別の形をしていた。準備していなかったぶん、衝撃は大きくなります。
出費の記録は、そのまま使えます
ここでお伝えしておきたいのは、お金を調べるために作った記録は、無駄にならないということです。
日付・金額・店名が並んだものは、後で調べることになったときに、そのまま手がかりになります。曜日の偏りが見えていれば、動く日を絞れます。店名が分かっていれば、行動の範囲が読めます。
「違うことを疑って調べていた」記録が、いちばん役に立った。そういうことは、よくあります。
見てよいもの、いけないもの
ひとつだけ線を引いておきます。
家計として共有しているもの——共同の口座、家に届く明細、家計簿。これらを見ることに問題はありません。
相手個人のもの——本人名義の口座に、本人のIDでログインして見る。これは前回お伝えしたのと同じ問題があります。
実際には境目があいまいなこともあります。判断に迷ったら、そこは止めて、先にご相談ください。
どちらであっても
借金だったとしても、不倫だったとしても、あるいは両方だったとしても、最初にすることは同じです。
日付をつけて記録すること。問い詰めないこと。
そして、何が出てきたときに自分はどうしたいのかを、先に考えておくこと。ここが決まっていないと、分かった瞬間に足元が崩れます。
疑いの中身がはっきりしていなくても、相談していただいて構いません。「何かおかしいけれど、何かは分からない」という状態のまま来られる方が、いちばん多いのです。
お金の記録から読めること
明細が手元にある方のために、何が読めるのかを書いておきます。
時間帯。店名と金額だけでなく、決済の時刻が出る明細があります。22時以降の飲食店の決済が続いていれば、行動の時間帯が分かります。
人数。金額から見当がつくことがあります。一人分にしては大きい、という程度の話ですが、繰り返されると意味が出ます。
場所。店名から地域が分かります。行動範囲が、職場や自宅から離れた一定の地域に寄っていることがあります。
頻度と曜日。これがいちばん効きます。前回書いたとおりです。
数字は、感情を落ち着かせます
不思議なもので、明細を並べて日付順に整理していると、少し落ち着く方が多いです。
頭の中でぐるぐる回っていたものが、表になって外に出るからだと思います。「毎週のように」と思っていたものが、実は月に2回だったと分かることもあります。逆のこともあります。
どちらにしても、思い込みと事実の差が見えるのは、意味のあることです。
両方だった場合
お金の問題と、別の相手の問題。両方が同時に出てくることも、実際にあります。
そのときは、優先順位を決める必要があります。生活が立ち行かなくなるほうが先か、関係のほうが先か。これは私が決めることではありませんが、一緒に整理することはできます。
一人で全部を背負って、どちらから手をつけるかを決めるのは、しんどい作業です。
よくあるご質問
借金と浮気は、関係があるのでしょうか。
出ていくお金が増えるという点で、生活の見え方は似ます。原因が別でも、調べ方の入口はほとんど同じです。
お金の流れを調べるのは、探偵の仕事ですか。
口座や信用情報を調べることはできません。できるのは、外での行動を見て、支出と行動が合っているかを確かめるところまでです。
借金だと分かったら、どこに相談すればいいですか。
金額と期間によりますが、弁護士や司法書士の無料相談が入口になります。必要でしたら、話の整理をお手伝いします。
相談だけで終わって、大丈夫です。話を聞いた私が、そのまま夜の現場に出ます。
お電話は9時から21時まで受け付けています。最初の一言は「相談したい」だけで構いません。