
メッセージが見つかっても、それだけでは足りないことがあります。何が足りないのかを、はっきりお伝えします。
メッセージのやり取りを見つけて、相談に来られる方がおられます。
「食事に行った話が出てきました。これで慰謝料は請求できますか」
結論から申し上げると、そのままでは足りないことが多いです。理由をお話しします。
何が求められているのか
法律上の話をすると、慰謝料の請求で必要になるのは「不貞行為」があったことです。食事をした、二人で会った、というだけでは、そこに届きません。
「友人として食事をしただけだ」と言われたときに、それを覆すものがあるかどうか。そこが分かれ目になります。

押し切られてしまう例
実際に、こういう言い方で押し切られることがあります。
「仕事の付き合いだ」「相談に乗っていただけだ」「グループで行った中の二人だ」「向こうが勝手に送ってきているだけだ」
メッセージの文面だけだと、これを崩すのが難しいのです。文字は解釈の余地が広く、前後の文脈をこちらが持っていないことも多い。
何があれば変わるのか
一般に、次のようなものが揃うと、話が変わってきます。
1 いつ・どこで会っていたかが分かる記録。時刻と場所が特定できるもの。
2 出入りの連続した記録。入った時刻と、出てきた時刻。その間が途切れていないこと。
3 誰かが分かること。第三者が見ても相手が特定できる状態。
4 複数回あること。1回だけだと「たまたま」と言われます。継続していることが問われます。
メッセージは、これらと組み合わさったときに強くなります。単独ではなく、裏づけの一部として効くと考えていただくのが正確です。
見つけたメッセージの扱い
ここで、前にお伝えしたことと繋がります。
相手の端末に入って見たものは、取り方そのものが問題になります。そして、それを見たと相手に伝われば、その後の行動が変わってしまいます。
見つけてしまったメッセージがあるなら、そのことは伏せたまま、日付と内容の要点だけを自分の記録に残してください。そして、そこから読み取れること——会っている曜日、時間帯、場所の見当——を、次に活かすほうが賢明です。
「これだけしかない」と思わないでください
相談に来られる方の多くが、「証拠らしいものが何もない」とおっしゃいます。
でも、話を聞いていくと、記録に残せることはたいてい出てきます。帰宅の時刻、説明の内容、出かけた日。断片に見えるものが、並べると形になることは珍しくありません。
メッセージが1つあるなら、それは出発点としては十分です。そこから何を足せばいいのかを、一緒に考えることはできます。
スクリーンショットの扱い
メッセージを見つけたとき、多くの方が画面を撮ります。
その扱いについて、正直に書いておきます。
撮ること自体は、止めません。手元に何もないより、記憶が残っているほうがいい場面はあります。
ただし、それを表に出すときは慎重にしてください。出した瞬間に「どうやって手に入れたのか」を問われます。答えられないと、こちらが不利になります。
ですから、撮ったものは自分の判断材料として持っておく。表に出す証拠は、別に用意する。この使い分けをしてください。
本人が認めた場合
メッセージを見せて問い詰めたら、相手が認めた。そういうこともあります。
ただ、口で認めただけのものは、後から覆ります。話し合いが進んで、金額の話になった段階で「あれは言わされただけだ」と言われることがあります。
認めたことを残すなら、書面にする必要があります。ここは弁護士の領域なので、その段階になったらご紹介できます。
「証拠がないと動けない」わけではありません
最後に、ひとつだけ。
慰謝料を請求するなら証拠が要ります。ただ、あなたがしたいことが、必ずしも慰謝料の請求とは限りません。
やめさせたいのか。話し合いたいのか。離婚したいのか。それによって、必要なものはまったく違います。離婚するだけなら、本来、調査は要らないことも多いのです。
そこを先に決めましょう、というのが、私が最初にお伝えしていることです。
よくあるご質問
LINEの画面は、まったく意味がないのですか。
そうではありません。単体では弱いというだけです。ほかの記録と日付でつながると、意味が出てきます。
消される前に、全部保存しておくべきでしょうか。
見られる状態にあるなら、日付が分かる形で残しておいてください。ただ、そのために相手のスマホを開けにいくのは、別の問題を生みます。
相手が「ただの友達だ」と言っています。どう考えればいいですか。
その説明が本当かどうかは、文面ではなく行動で分かります。会う頻度、時間帯、場所。そこが合っているかを見ます。
相談だけで終わって、大丈夫です。話を聞いた私が、そのまま夜の現場に出ます。
お電話は9時から21時まで受け付けています。最初の一言は「相談したい」だけで構いません。