
外見の変化は分かりやすい兆候です。ただし、それが示すものと、示さないものがあります。
「急におしゃれになった」というご相談は、よくあります。
長く一緒にいると、相手の身なりの標準が体に入っています。だから、少しの変化でも気づきます。その感覚は、たいてい正しいです。
変化そのものより、方向を見てください
ここで大事なのは、変わったかどうかより、どちらを向いて変わったかです。
健康のために体を絞り始めたのなら、食事や運動も一緒に変わっているはずです。仕事で人前に出ることが増えたなら、変わるのはスーツやシャツで、休日の服ではありません。
相談でよく挙がるのは、平日と休日の力の入れ方が逆転したという話です。以前は休日にラフだった人が、休日のほうに気を使うようになる。これは説明がつきにくい変化です。

実際に挙がるもの
・下着を買い替えた(数枚ではなく、まとめて)
・香水を使い始めた、または銘柄を変えた
・髪を切る間隔が短くなった
・体を絞り始めたが、食事の話は出ない
・歯や肌の手入れを始めた
・出かける前に、鏡の前にいる時間が延びた
示さないこともあります
一方で、これだけで結論は出ません。
職場が変わった。役職が上がった。年齢的に気になり始めた。友人に指摘された。健康診断の結果が出た。理由はいくらでもあります。
外見の変化は、「生活に変化があった」ことは示しますが、「何が変化したか」までは示さないと考えてください。
組み合わせで見る
意味を持つのは、他の変化と重なったときです。
身なりが変わった時期と、帰りが遅くなった時期と、スマホの扱いが変わった時期。この3つが同じころに始まっていたら、そこには理由があります。
だから、記録に日付を入れてくださいとお願いしています。一つひとつは弱くても、時期が揃うと意味が出てくるからです。
言わないでいてください
ひとつだけお願いがあります。
「最近おしゃれだね、どうしたの」と、探るような聞き方をしないでください。
悪意がなくても、相手には伝わります。そして、伝わった瞬間から、身なりは元に戻ります。分かりやすい変化を消すのは簡単だからです。
見えているものが見えなくなると、確かめる手立てが減ります。気づいていないふりをしている間だけ、こちらには余裕があります。
その余裕のあるうちに、どうしたいのかを考えておく。それが、いちばん強い準備になります。
時期をそろえて見る
具体的に、どう並べればいいのかを書きます。
紙に、縦に月を書いてください。7月、8月、9月、10月。そして横に、気づいた変化を書いていきます。
「8月 帰りが遅い日が出始めた」「9月 スマホを伏せて置くようになった」「9月 髪を切る間隔が短くなった」「10月 休日の予定を言わなくなった」
こうすると、変化が始まった月が見えます。ばらばらだと思っていたものが、8月から9月に集中していた、というようなことが分かります。
その月に何があったのか。職場が変わったのか、何かのきっかけがあったのか。そこから見当がつくことがあります。
変化がない場合もあります
逆に、身なりが何も変わっていないのに、他の兆候だけがある方もおられます。
これも珍しくありません。もともと身なりに気を使う人であれば、変化として現れないからです。あるいは、変化を出さないようにしている場合もあります。
変化がないことは、何かがないことの証明にはなりません。兆候は、あれば手がかりになる、というだけのものです。
それでも、聞きたくなったら
どうしても聞きたくなったときは、聞く前に一度だけ考えてみてください。
それを聞いて、どういう答えが返ってきたら、自分は納得するのか。
「気分転換だよ」と言われたら納得できるのか。できないなら、聞く意味はあまりありません。聞いたことだけが相手に残ります。
納得できないと分かっているなら、聞かずに準備を進めるほうが、結果的に早いです。
よくあるご質問
見た目が変わっただけで、疑ってもよいのでしょうか。
疑うというより、覚えておく程度で足ります。健康や仕事の変化でも、身なりは変わります。
においや香水は、証拠になりますか。
なりません。記録としては残せますが、それだけで何かを主張することはできません。
本人に「変わったね」と言うのは、まずいですか。
ほめる形なら問題ありません。責める形になると、それ以降、変化を隠すようになります。
相談だけで終わって、大丈夫です。話を聞いた私が、そのまま夜の現場に出ます。
お電話は9時から21時まで受け付けています。最初の一言は「相談したい」だけで構いません。