
探偵業は、許可制ではなく届出制です。この違いが何を意味するのか、制度の成り立ちから書きます。
探偵業は、資格試験に合格して初めて開業できる仕事だと思われていることがあります。実際には少し違います。探偵業は、許可制ではなく届出制です。この違いを知らないまま業者を選ぶと、見るべき場所を見誤ります。
許可制ではなく、届出制
許可制であれば、行政の審査を経て「認められた者」だけが営業できます。届出制は仕組みが異なり、一定の要件を満たして届け出さえすれば、営業を始められます。試験や資格は必要ありません。この点は、他の多くの許認可業種とは異なる特徴です。
届け出る先は、営業所の所在地を管轄する都道府県公安委員会です。営業所を移転した場合や名称を変更した場合も、その都度、変更の届出が必要になります。届出を怠ったまま営業を続けることも、法律違反になります。開業してから慌てて届け出る、という順番は認められません。

何を届け出るのか
探偵業法第4条は、届出の事項を定めています。商号、名称または氏名、営業所の名称と所在地。業務の方法、広告・宣伝に使う名称、法人の場合はその役員の氏名。これらが対象です。屋号を使う場合は、その屋号もあわせて届け出ることになっています。
届出をした事業者は、営業所の見やすい場所に標識を掲げる義務があります。氏名または名称、届出年月日、受理番号が記載されます。標識が見当たらない場合は、その場で確認して構いません。
探偵業法第5条は名義貸しを禁じています。違反した場合は、6月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金です。秘密を守る義務(第10条)は、廃業後も続きます。事業者が変わっても、以前の依頼者の情報が守られる仕組みです。

ここまでで、できること・できないこと
相談の段階でできないのは、戸籍や住民票を取ること、通話記録や口座の中身を見ること、相手に直接話をつけることです(弁護士法第72条)。
できるのは、届出の有無や契約内容を確認し、安心して依頼できる事業者かどうかを一緒に見極めることです。複数の事業者を比較する際の見方についても、お伝えできます。
私の側の事情
この仕事をしていて、よく聞かれることを書いておきます。
まず、待つ時間についてです。調査の多くは、対象者が動くのを待つ時間でできています。張り込みの大半は、何も起きない時間です。動きのない時間をどう過ごすかも、経験による部分が大きいです。
記録の管理も、日々の仕事の中心です。写真や報告書は、依頼者ごとに分けて保管し、契約で定めた期間が過ぎれば廃棄します。廃棄の記録も、あわせて残しています。保管場所への立ち入りも、限られた人間しかできない仕組みにしています。
お断りする依頼もあります。目的が違法な行為に及ぶと分かる依頼、相手方への直接の接触を求める依頼は、お受けできません。お断りする際は、理由もあわせてお伝えするようにしています。別の相談先をご紹介できる場合は、あわせてお伝えします。
手元に残しておきたいこと
業者選びの段階では、確認した内容を記録しておくと、あとで比較しやすくなります。記憶だけに頼ると、あとで「どちらがどう言ったか」が分からなくなります。
・9月2日(水)A社に届出番号を確認。標識の掲示あり
・9月5日(土)B社は届出番号の提示なし。再確認を依頼
・9月9日(水)公安委員会の窓口で、届出の有無を確認
よくあるご質問
届出をしていない業者は、違法ですか。
探偵業を営みながら届出をしていなければ、法律違反にあたります。公安委員会に、届出の有無を直接尋ねることもできますので、契約前にご確認ください。曖昧な返答をする業者は避けてください。
届出番号は、どこで確認できますか。
営業所に掲げられた標識や、契約書面に記載されています。確認しても記載がない場合は、その場で事業者に直接問い合わせてみてください。答えられない場合は注意が必要です。
届出さえあれば、安心して依頼できますか。
最低限の確認としては有効ですが、それだけで判断せず、対応の丁寧さや説明の分かりやすさも、あわせて判断材料にしてください。総合的に見て判断することをおすすめします。
相談だけで終わって、大丈夫です。話を聞いた私が、そのまま夜の現場に出ます。
お電話は9時から21時まで受け付けています。最初の一言は「相談したい」だけで構いません。