
今の法律の上では、探偵と興信所に区別はありません。名前の由来と、今の実態を書きます。
「探偵と興信所は、何が違うのですか」というご質問を、これまで何度もいただきました。
結論から言うと、今の法律の上では、区別はありません。どちらも、探偵業法という同じ法律の中の「探偵業」にあたります。
それでも名前が2つ残っているのには、歴史的な理由があります。
名前の違いだけで、事業者の質や信頼性を判断してしまうのは、もったいないことだと感じています。
名前の由来は、別の場所にある
もともと「興信所」という言葉は、企業や個人の信用調査、つまりお金にまつわる調べものを担う業者を指す言葉として使われてきました。
一方「探偵」は、個人の行動を調べる仕事の呼び方として使われてきました。歴史をたどると、扱う仕事の中心が違ったことが、名前の違いにつながっています。
企業どうしの取引が増えるなかで、相手先の信用を調べる需要が高まったことも、興信所という言葉が広まった背景のひとつだとされています。

2007年の法律で、扱いが一本化された
この状況が変わったのが、探偵業法の施行です。個人の行動調査であれ、企業の信用調査であれ、人の依頼を受けて特定の人物や物事を調べる仕事は、まとめて「探偵業」として届出の対象になりました。
屋号に「探偵」と付けるか「興信所」と付けるかは、事業者の選び方の問題です。法律上の義務は、どちらの名前でも同じです。
名前だけを理由に、片方が古い制度で、もう片方が新しい制度だと考えるのは正確ではありません。この一本化によって、どちらの名前を使う事業者にも、同じ届出義務と、同じ責任が及ぶようになりました。
今、実務でどう違うか
法律上の区別がなくなった今も、得意分野の違いは残っています。
企業の与信調査や採用前の身元調査を主にしている事業者は、今でも「興信所」を名乗ることが多い印象があります。個人の生活にまつわる調査は、「探偵」を名乗る事業者が多いです。
ただし、これも傾向であって、決まりではありません。屋号だけで得意分野を判断するのは、おすすめしません。実際には、両方の看板を掲げている事業者もあります。企業向けと個人向け、両方の相談窓口を用意している形です。
選ぶときに見るべきは、名前ではない
選ぶ際に確認していただきたいのは、名前ではなく、都道府県公安委員会への届出の有無です。
届出をしていない業者は、そもそも探偵業を営むことができません。探偵業法4条には、商号や営業所などの届出事項が定められています。営業所には、届出をしていることが分かる表示もされているはずです。
名前の響きに惑わされず、まずこの一点を確認する習慣を持っていただければと思います。届出の有無を確認したうえで、そこから先は、見積もりの内容や、報告書の質で比べていただくのが、いちばん確実な選び方だと思います。
戦後の一時期には、素行調査を専門にする業者と、経済調査を専門にする業者とで、業界団体自体が分かれていた時期もあったと言われています。
屋号を変更するには手続きが必要になるため、古くからある事業者ほど、設立当初の名前をそのまま使い続けている場合もあります。
届出証明書には、番号だけでなく有効期限も記載されています。古い証明書がそのままになっていないかも、確認できると安心です。
呼び方の違いに強くこだわるより、実務の中身で判断していただくほうが、結果的に満足のいく選び方につながると思います。
呼び方も、届出の制度も、時代とともに少しずつ形を変えてきました。今後また変わる可能性もありますが、依頼者を守るという趣旨は変わらないはずです。
こうした基本を押さえておくだけで、事業者選びの不安はかなり減らせるはずです。
よくあるご質問
「興信所」という名前だと、料金が高いのですか。
名前と料金の間に、決まった関係はありません。見積もりの内容で比べることをおすすめします。
結婚前の身元調査も、探偵に頼めますか。
対応できる場合があります。ただし調べられる範囲には限りがあるため、まずご相談ください。
届出をしているかどうかは、どこで確認できますか。
営業所の表示、または都道府県の公安委員会に問い合わせることで確認できます。契約前に確認しても構いません。
相談だけで終わって、大丈夫です。話を聞いた私が、そのまま夜の現場に出ます。
お電話は9時から21時まで受け付けています。最初の一言は「相談したい」だけで構いません。