
配偶者のスマホを見る行為は、場面によって法律の扱いが変わります。罪に問われる場合と、証拠としての価値を分けて書きます。
「配偶者のスマホを見てもいいですか」。この質問も、よくいただきます。
結論から言うと、場面によって答えが変わる、というのが正直なところです。整理して書きます。
ロックを外して見る、という行為
たまたま画面が開いていた、以前に聞いていた暗証番号で開いた。この行為自体を直接罰する法律は、今のところ明確には定められていません。
ただし、そこで見た内容の扱い方によっては、別の問題が生じます。見ること自体と、見た後の行動は、分けて考える必要があります。

アプリを勝手に入れる行為
相手のスマホに、気づかれないよう監視用のアプリを入れる行為は、話が変わってきます。
本人の意図に反して動作する不正な指令を与えるプログラムを取得・保管する行為は、刑法168条の2の不正指令電磁的記録に関する罪(3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金)に触れる可能性があります。安易に手を出さないでください。
手軽に導入できるアプリが出回っていますが、手に入りやすいことと、使っても問題ないことは、まったく別の話です。
ネットのサービスに、無断でログインする行為
メールやクラウドのアカウントに、相手のIDとパスワードを使って無断でログインする行為は、不正アクセス禁止法3条・11条(3年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金)の対象になり得ます。
端末を直接見るのと、ネット上のサービスに入り込むのとでは、法律上の扱いが変わってきます。この違いを知らずに動いてしまう方が、少なくありません。
見た内容の証拠としての価値
たとえ問題のない見方であっても、スクリーンショットだけでは、いつ、誰が、どのやり取りかが伝わりにくいことがあります。
証拠として使うことを考えているなら、見方だけでなく、残し方も考えておいてください。相手に気づかれる形で保存すると、そこから話がこじれることもあります。
不安なときは、先に確認を
自分がやろうとしていることが、法律に触れるかどうか迷ったら、行動する前に確認してください。
条文の解釈は変わることもあります。迷ったまま進めるより、先に聞いたほうが安全です。焦って行動する必要はありません。
家庭内であっても、通信の秘密や個人の情報に関わる場面では、思っている以上に慎重な扱いが必要になります。
感情的になっている場面ほど、あとから振り返って、あのときの行動は正しかったのかと迷うことになりがちです。
見た内容がどうであれ、そこから先の対応は、落ち着いてから考えることをおすすめします。
夫婦間であっても、それぞれのプライバシーを尊重するという考え方が、以前より広まってきています。見る前に、一度その視点を思い出してみてください。
見た内容によって、かえって疑いが深まってしまい、次の行動に踏み切れなくなる方もいます。見ることが、必ずしも安心につながるとは限りません。
不安な気持ちのまま一人で判断せず、早めに専門家に相談する習慣を持っておくと、無用なトラブルを避けやすくなります。
スマホに限らず、パソコンやタブレットなど、他の端末についても同じような考え方が当てはまります。
アプリの利用履歴や検索履歴は、見る側にとって気になる情報ですが、見た瞬間にすべてが分かるわけではないことも、頭に置いておいてください。
法律の話は難しく感じられるかもしれませんが、分からないまま動くよりも、分かる範囲を少しずつ増やしていくことが、結果的に安心につながります。
一人で抱え込まず、早めの相談を心がけてください。
よくあるご質問
ロックされていないスマホを見るだけなら問題ありませんか。
見る行為自体を直接罰する規定は明確ではありませんが、その後の使い方によって問題が生じることがあります。個別に弁護士へご確認ください。
見た内容をスクリーンショットに残すのは問題ありませんか。
記録として残すこと自体より、その後の使い方が問題になります。むやみに人に見せず、必要な範囲で保管してください。
法律の解釈が変わることはありますか。
あります。条文や解釈が変わった場合は、このブログも書き直しています。最新の情報は弁護士にご確認ください。
相談だけで終わって、大丈夫です。話を聞いた私が、そのまま夜の現場に出ます。
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