
すでにGPSを取り付けてしまった、という相談を受けることがあります。まず法律の線を確認し、そこからできることを書きます。
「実は、もうGPSを付けてしまいました」。そう打ち明けられる方がいます。
よくいただく形としてまとめていますので、実在のご相談をそのまま書いているわけではありません。
責めるつもりはありません。まず落ち着いて、状況を整理しましょう。
慌てて外す前に
気づかれる前に外そうと、慌てて動く方がいます。気持ちは分かりますが、少し待ってください。
いつ、どこに、どうやって取り付けたか。ご自身の行動を、まず紙に書き出しておいてください。あとで振り返る材料になります。
慌てて外そうとして、かえって取り付けた場所の近くで人目についてしまう、ということもあります。落ち着いて動くほうが、結果として安全です。

法律上の位置づけ
ストーカー規制法2条3項3号は、本人が身に着ける物、日常的に持ち歩く物、所持する自動車などに、無承諾で位置情報を取得する機器を取り付ける行為を、規制の対象としています。
ただし、この規定が適用されるのは、恋愛感情、またはそれが満たされなかったことへの怨恨の感情に基づく場合です。ご自身の動機がどちらに当たるかは、状況によって判断が分かれます。該当すれば、18条により1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金の対象になります。

今からできること
取り付けたことを、それ以上長引かせないことが、まずできることです。
外すタイミングは、気づかれない方法を含めて、慎重に考えたほうがいい場合があります。自己判断で急いで動く前に、一度ご相談ください。
取り付けてからの期間や状況によって、望ましい対応は変わってきます。一律に外せばいいとは言えないところが、難しいところです。
これからの記録の取り方
GPS以外にも、行動の傾向をつかむ方法はあります。
外出する曜日や時間帯を書き留める、帰宅時間を記録する。機器に頼らない方法に、切り替えることをおすすめします。
一人で抱えないでください
「これは犯罪になるのでは」と、一人で不安を抱えている方もいらっしゃいます。
状況を整理してお話しいただければ、今後どうするのが良いかを一緒に考えられます。まずは、話してみてください。ひとりで抱え込む時間を、短くすることが大事です。
取り付けたことを配偶者から問い詰められた場合の対応についても、事前に考えておいたほうがいい場面があります。
感情的に否定したり、話をそらしたりすると、かえって状況をこじらせることがあります。落ち着いて事実を認め、今後どうするかを話す姿勢が大切です。
こうした相談は、他の誰にも言えずに抱えている方が多い印象です。話してみることで、見える選択肢が増えることがあります。
取り付けてから時間が経っている場合、その間に確認できた内容についても、どう扱うかを考えておく必要があります。
今後同じような場面に直面したときのために、機器に頼らない記録の取り方を、あらかじめ身につけておくと安心です。
状況によっては、これまでの経緯を整理した書面を一緒に作成することもあります。頭の中だけで抱えているより、形にしたほうが見えてくるものがあります。
同じ状況の方から、似たようなご相談をいただくことは、決して珍しくありません。ご自身だけが特別なことをしてしまった、と思い詰めないでください。
今後の調査を依頼される場合も、これまでの経緯を隠さずに話していただくほうが、適切な進め方を一緒に考えやすくなります。
焦って新しい手段に手を出す前に、いま分かっていることを整理する時間を、まず取ってください。
話していただいた内容は、状況を判断するためだけに使い、他に漏らすことはありません。
状況が整理できるまで、何度でもお付き合いします。
よくあるご質問
早めに弁護士に相談したほうがいいですか。
ご心配であれば、早めに相談されることをおすすめします。状況を整理してから伺うと、話がスムーズです。
GPSを外せば、それで終わりですか。
外すことは一つの区切りになりますが、それ以前の行為については状況によります。心配な場合は弁護士にご確認ください。
同じ方法を、これからも続けて大丈夫ですか。
おすすめしません。機器に頼らない記録の方法に切り替えることを、一緒に考えましょう。
相談だけで終わって、大丈夫です。話を聞いた私が、そのまま夜の現場に出ます。
お電話は9時から21時まで受け付けています。最初の一言は「相談したい」だけで構いません。