
日中は仕事や家事で気がまぎれても、日が傾くころから気持ちが沈んでくる。その時間帯のつらさには、理由があります。
日中は、それほど考えずにいられる。仕事をしているあいだも、家事をしているあいだも、手が動いているうちは平気です。
ところが、日が傾いてくるころから、胸の奥がざわつき始める。そういう話を、ご相談の中でよく聞きます。
夕方という時間の重さ
夕方は、相手の帰りを待つ時間です。何時に帰ってくるのか。今日は連絡があるのか。考えないようにしていても、時計を見る回数が増えます。
疑いを抱えているときは、その待つ時間そのものが負担になります。夕方のつらさは、心が弱いから出てくるのではありません。待つ時間が、疑いと重なっているから出てくるのです。
秋になって日が短くなると、そのつらさが早い時間から始まるようにも感じられます。

夕方のつらさは、体の疲れとも重なります。一日働いたあと、家事をこなしたあとの体は、気持ちを支える力も残り少なくなっています。つらく感じるのは、それだけ一日をがんばった証拠でもあります。
夕方に、予定をひとつ置く
夕方の時間を、空白のままにしないことが助けになります。買い物、散歩、夕食の下ごしらえ。短い用事でも、手と足を動かす予定をひとつ置いてください。
時計を見る代わりに、手を動かす。それだけで、待つ時間の長さの感じ方が変わります。
夕方に、決めごとをしない
疲れが出る時間帯に、大きなことを決めないでください。問い詰めるかどうか、調べるかどうか、別れるかどうか。
こうした判断は、朝や昼の、頭が少し落ち着いている時間にしたほうが、あとで後悔が少なくなります。夕方に浮かんだ考えは、メモに書いて、翌日の昼にもう一度読み返してみてください。
同じ考えが昼にも正しく見えるなら、それは本当に考えるべきことです。昼に読んで少し大げさに見えたなら、それは夕方の気持ちが書かせた言葉です。
夕方を、ひとりで過ごさない日をつくる
ひとりで家にいる夕方がつらいときは、週に一度だけでも、人と過ごす夕方をつくってみてください。友人とお茶をする。実家に顔を出す。習いごとに出かける。
事情を話さなくても構いません。誰かと他愛のない話をするだけで、時計を見る回数は減ります。待つ時間が、ほかの時間に置き換わるからです。
子どもがいる家庭では、夕方は忙しい時間でもあります。ご飯の支度、宿題、お風呂。手が回らない日は、出来合いのものに頼っていい日だと決めてしまってください。
つらい時期に、夕方をいつもどおりに回そうとしなくていいのです。手を抜ける日があるだけで、夜まで気持ちがもつようになります。
夕方を乗り切れた日は、それだけで十分によくやった日です。小さく自分をねぎらってから、夜を迎えてください。
夕方になると涙が出てきます。おかしいのでしょうか。
おかしいことではありません。疑いを抱えている方の多くが、同じような時間帯のつらさを話されます。つらさが何週間も続き、眠れない、食べられないといった状態が重なるときは、心療内科や相談窓口を頼ってください。
夕方に相手へ連絡してしまい、後悔することがあります。
送る前に、いったん下書きに残す習慣をつけてみてください。夕方に書いたものを、夜か翌朝に読み返してから送るかどうか決める。それだけで、送らずに済んだと思える連絡がかなり減ります。
夕方のつらさを、相手に気づかれたくありません。
無理に明るくふるまう必要はありませんが、理由を説明する必要もありません。「今日は少し疲れた」で十分です。本当のことを話すのは、自分の気持ちと考えが整ってからで構いません。
夕方になると、相手のスマホの通知が気になって仕方ありません。
気になる気持ちは自然なものです。ただ、通知を気にし続けると、夕方の時間がすべてそれに使われてしまいます。その時間だけは、自分のスマホも別の部屋に置いてみてください。見ないと決めた時間があるだけで、気持ちは少し楽になります。
相談だけで終わって、大丈夫です。話を聞いた私が、そのまま夜の現場に出ます。
お電話は9時から21時まで受け付けています。最初の一言は「相談したい」だけで構いません。