
記録が苦しくなる時期があります。無理に続けなくていい理由と、負担の少ない残し方を書きます。
夜、スマホのメモ帳を開いたまま、指が止まってしまう。そういうご相談を受けることがあります。記録をつけることが、いつのまにか一日の中で一番つらい時間になっている。そういう状態です。こうした状態は、珍しいことではありません。
気になる気持ちが強くなるほど、確認する回数も、書き残す量も増えていきます。スマホを見る時間そのものが、以前より長くなっている。そう話される方は少なくありません。
続けるほど、重くなるもの
最初は、几帳面につけていたはずです。日付、時間、相手の言葉。細かく書けば書くほど、安心できる気がしていました。
ところが、続けているうちに、記録そのものが気持ちを削っていきます。書きながら、その場面を何度も思い出すことになるからです。
誰かに話しながら記録をつけている方は、まだ楽なほうです。一人で抱えたまま、誰にも見せない記録を積み重ねていると、続けているという事実だけが、心を疲れさせていきます。
書き終えたあとも、内容を何度も読み返してしまう方がいます。読み返すたびに、そのときの気持ちがよみがえり、余計に疲れてしまうことがあります。
記録は、事実を残す作業のはずが、いつのまにか痛みを繰り返す作業に変わってしまうことがあります。ここまでくると、一度立ち止まったほうがいいと、私は思います。

やめても、失うものは少ない
記録を途中でやめると、それまでの努力が無駄になる気がして、やめられない方がいます。ですが、途中でやめても、それまでの記録は残ります。
全部を完璧に記録し続けることが、調査や相談の条件になるわけではありません。途切れた記録でも、相談の材料としては十分に使えます。
記録がなければ相談できない、と思い込んでいる方もいます。そうではありません。今の気持ちや状況を話していただくだけでも、相談としては十分に成り立ちます。
信頼できる家族や友人に、記録の一部を見せて話を聞いてもらうのも、一人で抱え込まないための方法の一つです。
つらいと感じたら、そこで一度手を止めて構いません。続けるかどうかは、あとで決めても遅くありません。
それでも残すなら、この3行
どうしても何か残したい場合は、負担の少ない形に変えてみてください。日付と時刻だけの、短い記録です。
・8月3日(月曜)帰宅22時
・8月10日(月曜)帰宅23時15分
・8月17日(月曜)帰宅21時50分
感想を書かないので、読み返しても心が動きにくいという利点があります。それでいて、曜日ごとの傾向は十分に見えてきます。書く時間も数秒で済みます。
曜日をそろえて書いておくと、あとで比べやすくなります。同じ曜日の帰宅時間を並べるだけで、いつもと違う日が自然に浮かび上がってきます。
無理のない範囲でできること
記録の付け方について、一緒に考えることはできます。今の記録がつらいなら、どこを削れるか、どこを軽くできるかを相談に乗ります。
記録がまばらでも構いません。そこから調査が必要かどうかを一緒に考えることはできますので、焦らず、今ある分だけ見せていただければ十分です。
話すだけで気持ちが軽くなることもあります。結論を急がず、今の状態を整理する時間として使っていただいて構いません。
ただ、代わりにできないこともお伝えしておきます。相手の戸籍や住民票を、こちらで取り寄せることはできません。
相手のもとへ出向いて、話を落ち着けてくることも、私にはできない役目です。報酬を受けて法律的な交渉ごとに関わるのは、弁護士法72条により弁護士の仕事と決まっています。今の記録の状態がどうであれ、この線引きは変わりません。
よくあるご質問
記録をやめたら、あとで調査を頼めなくなりますか。
そのようなことはありません。記録が少なくても、ご相談は受けられます。記録は多いほど参考にはなりますが、必須の条件ではありませんので、まずは今の状況だけでもお聞かせください。
途中からまた記録を再開してもいいですか。
もちろん構いません。空白の期間があっても、そこから先の記録が使えなくなるわけではありません。無理のない範囲で、思い出したときにまた書き足していただければ十分です。
つらいのに記録を続けたほうがいいのでしょうか。
無理をしてまで続ける必要はありません。心の負担が大きいと感じた時点で、一度立ち止まって、記録がない状態のまま、ご相談だけでも受けていただければと思います。
相談だけで終わって、大丈夫です。話を聞いた私が、そのまま夜の現場に出ます。
お電話は9時から21時まで受け付けています。最初の一言は「相談したい」だけで構いません。