
間を置けば冷静に話せる、と思うのは自然なことです。ただ、その一週間で相手も準備をしています。
一度目の話し合いがうまくいかなかったとき、多くの方が同じことを考えます。
「今日は感情的になったから、少し時間をおいて、もう一度落ち着いて話そう」。とてもまっとうな考え方です。ただ、結果はあまり変わりません。
その一週間に起きていること
こちらが冷静さを取り戻そうとしている一週間、相手も同じ時間を過ごしています。
ただし、使い方が違います。相手が考えているのは、次に聞かれたときに、どう答えるかです。
一度目で何を突かれたかが分かっていますから、そこは埋めてきます。説明が用意され、話のつじつまが合うようになります。

2回目が、1回目より難しくなる理由
1回目は、相手も不意を突かれています。表情が変わったり、答えに間が空いたりします。
2回目には、それがありません。すらすら答えられます。それを見て、「思い違いだったのかもしれない」と感じてしまう方がおられます。
ここが危ないところです。答え方が上手になっただけなのに、疑いのほうを引っ込めてしまう。そこから、また何か月か過ぎます。
間を置くなら、こちらも準備する
間を置くこと自体が悪いわけではありません。準備なしで置くのが問題です。
一週間のあいだに、こちらがやることは3つです。
- これまでの事実を、日付順に並べる
- 相手の説明で、つじつまが合わない箇所を書き出す
- その話し合いで、何を得たいのかを決める
3番目がいちばん大事です。認めさせたいのか、関係を続けたいのか、離れたいのか。これが決まっていないと、話し合いは同じところを回ります。
それでも進まないとき
準備をしても、進まないことはあります。
そのときは、話し合いという手段そのものを、いったん置いてください。言葉で認めさせることを目標にしないでください。
実際のところ、認めさせる必要はありません。必要なのは、あとで話を進められる材料です。材料がそろえば、相手が認めるかどうかは、あまり関係がなくなります。
話し合いをやめる、という選択
これは冷たい話ではありません。
話し合いを続けているあいだ、こちらは毎回傷つきます。相手は毎回うまくなります。続けるほど、差が開きます。
いったんやめて、静かに準備をする。準備が終わったところで、もう一度だけ話す。この順番のほうが、結果的に早く終わります。
そして、その静かな期間を一人で過ごす必要はありません。話す相手は、外にいて構いません。
つじつまの合わない箇所は、指摘しない
準備の話をしました。1つ、大事な補足をします。
書き出したつじつまの合わない箇所を、その場で全部ぶつけないでください。指摘した箇所は、次から埋められます。
10か所気づいていても、聞くのは1つか2つに絞る。残りは、こちらの手元に置いておく。
この使い方をすると、相手の説明がどこまで一貫しているかが分かります。全部出してしまうと、それが分からなくなります。
「何を得たいか」の決め方
話し合いの目的を決める、と書きました。決め方を補足します。
3つの中から選んでみてください。離れたいのか、続けたいのか、まだ決められないのか。3つ目でも構いません。
離れたいなら、必要なのは請求できる材料です。続けたいなら、必要なのは相手が関係を切ったという確認です。決められないなら、必要なのは時間と、その間の記録です。
目的によって、話し合いで聞くべきことが変わります。逆にいえば、目的が決まっていないと、何を聞けばいいかも決まりません。
ここが決まらないまま相談に来られる方は多いです。それで構いません。話しながら決めていけば足ります。
よくあるご質問
何回も話し合っています。もうやめたほうがいいですか。
同じ内容で3回目に入っているなら、いったん止めることをおすすめします。内容が進んでいるなら、続ける価値はあります。
話し合いを録音してもいいですか。
ご自身が参加している会話を記録しておくこと自体は、通常できます。ただ、録音していることが分かると、そのあとの会話は変わります。
相手から「話し合おう」と言ってきました。応じるべきですか。
応じて構いません。ただ、こちらの目的を先に決めてから臨んでください。決めずに入ると、相手の土俵になります。
相談だけで終わって、大丈夫です。話を聞いた私が、そのまま夜の現場に出ます。
お電話は9時から21時まで受け付けています。最初の一言は「相談したい」だけで構いません。