
厳しい言い方をされて、傷ついた方がおられます。その言葉の中身を、少し分解してみます。
相談の中で、こう言われたという話を聞くことがあります。
「いつまでも被害者でいるな」。身近な人から言われて、深く傷ついたという方がおられます。
まず、その言い方は乱暴です
最初に書いておきます。この言い方は、乱暴です。
傷ついている人に対して、まず言うべき言葉ではありません。言われて傷ついたのは、当然のことです。
そのうえで、その言葉の中に何があったのかを、少しだけ考えてみます。

言った側が見ていたもの
たいていの場合、言った人は心配しています。
何か月も同じ話を聞いていて、この人が前に進めないでいることが心配になっている。ただ、その伝え方がひどく下手だった。それだけのことが多いです。
ですから、言われた内容より、その人がどうしてほしかったのかを見てみてください。
「被害者をやめる」の中身
この言葉を、実務の言葉に置き換えてみます。
「相手に変わってもらうことを、期待するのをやめる」ということです。
謝罪してほしい、反省してほしい、自分から言い出してほしい。この期待を持ち続けているあいだは、相手の出方を待つことになります。待っているあいだ、こちらは動けません。
期待をやめると、動ける
期待をやめるというのは、許すことではありません。
相手が変わらなくても進められる形に、切り替えるということです。
証拠を集める。弁護士に相談する。条件を決める。手続きにする。ここまで来ると、相手の気持ちに関係なく話が進みます。
それでも、急がなくていい
ただし、これは時期の話でもあります。
知ったばかりの時期に、切り替えられるはずがありません。数か月かかるのが普通です。
ですから、「まだ切り替えられない」と自分を責めないでください。切り替わるときは、自然に切り替わります。
切り替わるきっかけ
見てきた範囲で、きっかけになりやすいものを挙げます。
- 事実がはっきり分かったとき
- 相手が変わらないと確信したとき
- 手続きが始まったとき
- 次の生活の見通しが立ったとき
1番目が、いちばん多いです。分からないまま待っている状態が、いちばん長引きます。
言われて傷ついた方へ
最後に、もう一度書いておきます。
その言葉に傷ついたのは、正しい反応です。言われて平気なほうが、おかしいです。
そして、切り替える時期は、人に決められるものではありません。ご自身のペースで構いません。
ただ、待っているだけの時間を短くする方法はあります。それが、事実を確かめることです。
怒りが消えないことについて
もう1つ、よく聞く悩みを書いておきます。
「時間がたっても、怒りが消えません」。これも、普通のことです。
怒りは、消すものではなく、置いておくものだと考えてください。無理に消そうとすると、かえって長引きます。
手続きが進むと、怒りに使っていた力が別のところに向かいます。そうして、少しずつ薄れていきます。
比べないでください
最後に、これだけ。
同じような経験をした人が、早く立ち直っているように見えることがあります。比べないでください。
事情も、性格も、家族の構成も違います。そして、外から見えているのは、その人が見せている部分だけです。
ご自身のペースで進めば足ります。急かす人がいたら、その人とは少し距離を置いてください。
よくあるご質問
前に進めない自分が、情けないです。
普通のことです。数か月かかる方がほとんどですし、それでおかしいということはありません。
相手の謝罪を、待つのは無駄でしょうか。
無駄ではありませんが、待つあいだにできることはあります。両方を同時に進めて構いません。
誰にも分かってもらえません。
身近な人には分かりにくい話です。外の人間に話すという方法があります。話すだけで結構です。
相談だけで終わって、大丈夫です。話を聞いた私が、そのまま夜の現場に出ます。
お電話は9時から21時まで受け付けています。最初の一言は「相談したい」だけで構いません。