私立探偵 望月
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相手の車にGPSを付けてはいけない。法律で禁じられています

失敗 2021.02.26
相手の車にGPSを付けてはいけない。法律で禁じられています

いちばん多い誤解です。夫婦だから許される、という話ではありません。条文と罰則を書いておきます。

相談の中で、いちばん止める必要があるのがこれです。

「相手の車にGPSを付けようと思う」。あるいは、「もう付けている」。これは、法律で禁じられている行為に当たり得ます。

条文を、そのまま見ます

ストーカー行為等の規制等に関する法律という法律があります。いわゆるストーカー規制法です。

この法律の第2条第3項に、「位置情報無承諾取得等」という行為が定められています。中身は、次の3つです。

  1. 承諾を得ないで、相手が持っている位置情報記録・送信装置の位置情報を取得すること
  2. 承諾を得ないで、位置特定用識別情報送信装置の位置情報を取得すること
  3. 承諾を得ないで、相手の持ち物にそうした装置を取り付けること

3番目が、まさに車にGPS機器を付ける行為です。取り付けた時点で、この条文の対象になります。位置情報を見たかどうかは関係ありません。

相手の車は、相手の持ち物です

「配偶者だから」は理由になりません

よく聞かれるのが、「夫婦の共有財産だから問題ないのでは」という点です。

条文は、その特定の者の「配偶者」も対象に含めて書かれています。むしろ、配偶者が正面から想定されています。

車の名義が相手であれば、それは相手の持ち物です。共同で使っていても、無断で装置を付けてよいことにはなりません。

罰則

この行為を反復すると、ストーカー行為に当たります(同法第2条第4項)。

そして、ストーカー行為をした者は、1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金に処せられます(同法第18条)。

また、反復に至らない場合でも、第3条は「何人も、位置情報無承諾取得等をして、その相手方に不安を覚えさせてはならない」と定めています。警察から警告や禁止命令が出ることがあり、これに違反した場合はさらに重い罰則があります。

もっと現実的な話

刑事罰の話をしましたが、実務でより問題になるのは別のところです。

違法な方法で得たものは、あとの話し合いや裁判で使いにくいということです。

それだけではありません。こちらが違法なことをしたという事実が相手に渡ると、話の焦点がそこに移ります。慰謝料の話をしていたはずが、こちらの行為の話になる。実際に起きることです。

探偵も、同じ制約を受けます

念のため申し上げますが、これは依頼者だけの話ではありません。

探偵業者であっても、無断で機器を取り付けることはできません。「うちなら付けられます」と言う業者がいたら、その時点で選ばないでください。

こちらがやるのは、人が目で見て、記録することです。時間はかかりますが、そうして得たものは、そのまま使えます。

すでに付けてしまわれた方は、まず外してください。そのうえで、どう進めるかを一緒に考えます。責めることはしません。

よくあるご質問

自分名義の車に付けるのは、問題ありませんか。

自分の持ち物に付けること自体は、条文の「その所持する物」に当たらない場合があります。ただ、相手が日常的に使っている車であれば、実質的に相手の所持する物と評価される余地があります。個別の判断になりますので、ご相談ください。

スマホの位置情報共有アプリは、どうでしょうか。

相手が承諾して設定したものであれば、問題になりません。承諾なく設定したり、こっそり入れたりした場合は別です。

すでに付けてしまいました。どうすればいいですか。

外してください。そのうえで、その機器から得た情報は使わない前提で組み立て直します。そこからでも、進められます。

この記事の法令は、いつ時点のものですか。

公開後も、条文が改正されたときは書き直しています。ご不安な点は、そのつどお問い合わせください。

調べると決めていなくて、構いません。

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