
一人で抱えきれず、親に話してしまうことがあります。話した後で、どう進めるかを一緒に考えます。
「気がついたら、母に話してしまっていました」。そう打ち明けられることがあります。
一般的な形として書きます。特定のどなたかの話ではありません。一人で抱えきれなくなって、身近な人に話す。自然なことです。
身近な人に話したくなる気持ちは、自然な反応です。むしろ、誰にも話せずに一人で抱え込むほうが、心配なことがあります。
ただ、話した相手が身内の場合、そのあとの進め方が変わってくることがあります。
身内に入ると、起きること
親や兄弟に話すと、心配してもらえる分、相手への感情も一緒に強くなることがあります。「許せない」「急いで相手に話をつけに行く」と、周りが先に動こうとすることもあります。
本人よりも周りの気持ちが先に固まってしまうと、あとから軌道修正しにくくなります。特に、これまで何度も似た話を聞いてきた家族ほど、感情が強く出やすい傾向があります。心配の積み重ねが、そのまま強さに変わっています。
心配してくれた気持ちは、否定しなくていい
家族が先に動こうとするのは、心配しているからです。その気持ちまで否定してしまうと、今度は家族との関係がこじれてしまいます。
「心配してくれてありがとう。でも、もう少し待ってほしい」という伝え方であれば、気持ちを否定せずに、時間を作ることができます。
感謝と、お願いを、両方伝えることがポイントです。片方だけだと、伝わり方が変わってしまいます。これは、家族に限らず、友人に話した場合でも同じように考えられます。
引き返しにくくなる理由
一度、家族の間で共有された話は、なかったことにはできません。相手方の家族にまで話が伝わり、当事者同士の話し合いのはずが、家と家の話になることもあります。
相手方の家族が態度を硬化させると、話し合いのはずが対立に変わり、結果として時間も労力も余計にかかることがあります。話す相手を選ぶことは、そのあとの選択肢を残しておくことでもあります。

これから話す相手を選ぶとき
すでに話してしまった場合は、それを悔やむより、これからどう伝えていくかを考えます。ただし、話す順番や伝え方までは、あとからでも調整できます。すでに話した事実は変えられなくても、これからの伝え方は選べます。
「まだ調べている段階だから、周りには言わないでほしい」と、家族に一度お願いしておくことも一つの方法です。誰に、どこまで話すかを、ご自身で選び直すことができます。一人にすべてを話す必要はありません。事実だけを伝える相手と、気持ちを聞いてもらう相手を、分けて考える方法もあります。
家族の反応も、3行に残す
家族に話した経緯も、記録にしておくと、あとで振り返りやすくなります。家族がどう反応したかも記録しておくと、次に何を伝えるべきかを考える材料になります。
「9月3日(木)夜 母に話したところ、すぐに相手に連絡すると言われた」
「9月4日(金) 母を止め、まだ動かないでほしいと伝えた」
「9月7日(月) 父にも話が伝わっていたことが分かった」
日付と、誰が何をしたかという事実だけを書きます。誰が悪いかは書かなくて構いません。
私が代わりにできないこと
この段階で私にお願いいただけるのは、今の状況を整理し、これからの進め方をご一緒に考えることです。
「家族の代わりに、相手のところへ話をつけに行ってほしい」と頼まれることがありますが、これはできません。報酬を得て相手と交渉する行為は、弁護士でなければできないと定められています(弁護士法72条)。
ご家族が先に相手の家を訪ねようとしている場合も、私たちが同行して中に入ることはできません。まずは状況を伺うところから始めます。
よくあるご質問
家族が先に相手へ連絡してしまいました。もう遅いでしょうか。
遅すぎるということはありません。今の状況を伺ったうえで、そこからできる範囲の進め方を一緒に考えさせてください。焦る必要はありません。
家族には内緒で相談することはできますか。
できます。ご相談いただいた内容やその後の進め方について、ご本人の意思なくご家族にお伝えすることはありません。
興奮している親を、止めることはできますか。
私から直接お話しすることはできませんが、ご本人が家族に伝えるときの言葉の整理などは、一緒に考えることができます。
相談だけで終わって、大丈夫です。話を聞いた私が、そのまま夜の現場に出ます。
お電話は9時から21時まで受け付けています。最初の一言は「相談したい」だけで構いません。