
相談する相手によって、言われることが違う。そのときにどう考えればいいかを書きます。
複数のところに相談すると、言われることが食い違うことがあります。
「別れたほうがいい」「もう少し様子を見たら」「まず証拠を」。どれが正しいのか分からなくなって、動けなくなる方がおられます。
なぜ、割れるのか
見ているものが違うからです。
弁護士は、手続きと請求できる金額を見ます。公的な窓口は、安全と生活を見ます。友人は、あなたの気持ちを見ます。それぞれの立場から、正しいことを言っています。
つまり、割れているのは、間違いがあるからではありません。見ている角度が違うだけです。

経験の違いも出る
もう1つの理由があります。扱ってきた事案の違いです。
修復に至った例を多く見てきた人は、修復の可能性を語ります。こじれた例を多く見てきた人は、早く離れることを勧めます。どちらも、その人が見てきたものに基づいています。
ですから、「この人はこういう例を多く見てきたのだろう」と受け取ると、混乱が減ります。
決めるのは、あなたです
身も蓋もないことを書きます。
助言は、判断の材料です。決めるのは、あなたにしかできません。そして、決めた結果を引き受けるのも、あなたです。
だから、助言に従う必要はありません。聞いたうえで、違うと思えば違う道を選んで構いません。
割れたときの整理のしかた
実務的な方法を1つ。
言われたことを、紙に3列で書いてみてください。誰が / 何と言ったか / その理由は何か。
理由の欄を埋めていくと、どれが自分の状況に当てはまるかが見えてきます。理由が書けない助言は、その人の価値観だと考えて構いません。
自分の希望を、先に決めておく
もう1つ。相談する前に、自分がどうしたいかを1行書いておいてください。
「できれば続けたい」「もう離れたい」「まだ分からない」。これがあると、助言に流されにくくなります。
「まだ分からない」でも構いません。それを伝えれば、決めることを急かさない相手かどうかも分かります。
急かす相手を、選ばない
これは、どの職種でも同じです。
「早く決めたほうがいい」と言う人はいます。ただ、理由を説明せずに急かす相手は、避けてください。
時期に理由があるなら、その理由が説明できるはずです。「証拠が取りにくくなる時期に入る」「時効が近い」といった話であれば、根拠があります。
こちらの立場
最後に、自分の立ち位置を書いておきます。
こちらは、確かめることの専門です。法律の判断はできませんし、生き方を決めることもできません。
できるのは、判断の材料をそろえることだけです。そのうえで、どうするかはあなたが決めてください。決めていない段階で来ていただいて、構いません。
身近な人の助言との、つき合い方
専門家だけでなく、身近な人からも助言をもらいます。
家族や友人の言葉は、専門家のものより強く響きます。あなたのことを知っているからです。
ただ、身近な人は、あなたに幸せでいてほしいと思っています。そのため、早く決着させる方向に寄りやすい傾向があります。
悪いことではありません。ただ、その気持ちがどこから来ているかを分かって聞くと、受け止め方が楽になります。
「決めなくていい」と言ってくれる人を、1人
最後に、これだけは書いておきます。
相談先の中に、「まだ決めなくていい」と言ってくれる人を1人持っておいてください。
全員が決断を促す相手だと、逃げ場がなくなります。まだ決められないという状態も、そのまま置いておける場所が必要です。
こちらは、その役でも構いません。決めていなくて、構いません。何度話に来ていただいても構いません。
よくあるご質問
複数の弁護士に相談してもいいですか。
構いません。むしろ、大きな判断のときは、2か所ほど聞いてみることをおすすめします。
相談するたびに違うことを言われて、疲れました。
いったん止めて、ご自身がどうしたいかを1行書いてみてください。そこが決まると、助言の受け取り方が変わります。
どちらとも決められないまま相談してもいいですか。
それがいちばん多い形です。決めるために話す、という使い方をしてください。
相談だけで終わって、大丈夫です。話を聞いた私が、そのまま夜の現場に出ます。
お電話は9時から21時まで受け付けています。最初の一言は「相談したい」だけで構いません。