
本人が動かなくても、家族が動くことで話が進むことがあります。そのときの注意点を書きます。
交渉の途中で、相手方の親が出てくることがあります。
身構える方が多いのですが、実際には、話が進む方向に働くことのほうが多いです。理由を書きます。
なぜ、話が進むのか
親の側は、事を大きくしたくないと考えるからです。
裁判になれば、記録が残ります。近所や親戚に伝わることもあります。そうなる前に、金銭で解決したいと考えるのが一般的です。
そして、本人に資力がなくても、親が肩代わりすることがあります。これは、回収の面では大きな違いです。

態度を変えるきっかけは、証拠
ここでも、材料があるかどうかで変わります。
「本人がそう言っているだけ」であれば、親は本人の言い分を信じます。記録があると、信じられなくなります。
この場面で、報告書がそのまま働きます。事実だけが書かれた書面は、感情の入る余地がありません。
注意点1 直接連絡しない
ここからは注意点です。
相手方の親に、こちらから直接連絡するのは避けてください。伝え方によっては、名誉毀損の問題が生じます。
刑法第230条は、公然と事実を摘示して名誉を毀損した場合を罰しています。真実であっても、成立し得ます。
注意点2 弁護士を通す
では、どう伝えるか。弁護士を通してください。
弁護士からの通知であれば、必要な範囲で必要な相手に伝えるという形になります。手続きの一部として行われるため、問題になりにくいです。
そして、感情のやり取りになりません。これが、いちばん大きい違いです。
注意点3 親と直接交渉しない
親から連絡が来ることもあります。
その場合も、直接やり取りするのは避けたほうがいいです。「弁護士を通してください」と伝えて、そこで切ってください。
親と話すと、情に訴えられます。「本人も反省している」「息子の将来がある」。断りにくくなります。
謝罪を受け入れるかどうか
親が謝罪に来ることもあります。
受け入れるかどうかは、ご自身が決めることです。ただ、謝罪と、金銭の話は分けてください。
謝罪を受け入れたことが、請求を放棄したことにされてしまう場面があります。「謝罪は受け取りますが、条件の話は弁護士を通します」。この形にしてください。
家族が動かない場合
逆に、家族がまったく動かないこともあります。
その場合は、本人との交渉になります。期待していた分、落胆が大きくなることがあります。
ですから、家族が動くことを前提にした計画は立てないでください。動けば助かる、という程度に考えておくほうが安全です。
相手方に配偶者がいる場合
もう1つの場面を書いておきます。相手方が既婚だった場合です。
この場合、相手方の配偶者にも、こちらと同じ請求権があります。お互いに請求し合う形になることがあります。
結果として、相殺のような形で決着することもあります。この場合、金銭はほとんど動きません。
ただ、関係が終わるという点では、双方の家庭にとって同じ方向に働きます。
伝えるかどうかの判断
相手方の配偶者に、事実を伝えるかどうか。
これは、慎重に判断してください。伝えれば、相手方の家庭も動きます。それが目的なら意味がありますが、感情から伝えると、あとで責任を問われます。
伝える場合も、弁護士を通してください。相手方の配偶者には請求権がありますので、伝えること自体には正当な理由が認められやすい場面です。ただ、伝え方には注意が要ります。
伝えない、という判断も当然あります。そこは、着地点によって決めてください。
よくあるご質問
相手の親から連絡が来ました。応じるべきですか。
「弁護士を通してください」とお伝えください。直接やり取りしないほうが、結果的に有利です。
相手の親に事実を知らせたいのですが。
伝え方を誤ると、こちらが責任を問われます。弁護士を通す形にしてください。
親が払うと言っています。書面はどうすればいいですか。
誰が支払義務を負うのかを明確にする必要があります。弁護士に作成を依頼してください。
相談だけで終わって、大丈夫です。話を聞いた私が、そのまま夜の現場に出ます。
お電話は9時から21時まで受け付けています。最初の一言は「相談したい」だけで構いません。