
離婚の話し合いが進むと、必ず出てくるのが子どものことです。大人同士の勝ち負けにしないための考え方を書きます。
離婚の話し合いが進んでくると、必ずといっていいほど出てくるのが子どものことです。
「親権はどちらが持つのか」「会う頻度はどう決めるのか」。この2つは、切り離して考えたほうがいいことがあります。
親権と、会えることは別
親権を持たない側でも、子どもに会えなくなるわけではありません。
親権は、日常の世話や財産の管理をどちらが担うかという話です。会うこと自体は、面会交流という別の枠組みで決めます。
面会交流は、子どもの権利でもあるという考え方があります。親のための取り決めではなく、子どものための取り決めだと捉えると、話し合いの進め方も変わってきます。
令和の制度は選べる形に
数年前の民法改正で、離婚後の親権は、単独に加えて共同という形も選べるようになりました。
どちらが子どもにとって良いかは、家庭ごとに違います。制度の運用が固まっていく途中でもあるので、詳しいことは弁護士に確認していただくのが確実です。
共同親権を選んだ場合も、日々の細かな判断は、一緒に暮らす親が行うのが基本になります。何もかもを毎回相談する、というものではありません。

決め方の基本
話し合いで決まらないときは、家庭裁判所の調停に進みます。
調停では、子どもの年齢や生活の状況、これまで主にどちらが世話をしてきたかが見られます。
調停には、半年から1年ほどかかることもあります。長引く場合を見越して、生活の見通しを別に立てておくと安心です。
調停でも折り合わない場合は、審判という形で判断が示されます。ここまで進むと、時間も気力も使います。できる範囲で、話し合いの段階での折り合いを目指したほうが、子どもの生活も早く落ち着きます。
口頭だけで決めたことは、時間がたつと「言った、言わない」になりがちです。
面会交流の頻度、場所、送り迎えの方法。細かく思えることほど、書面にしておくと後で助かります。
公正証書や調停調書という形にしておけば、約束が守られなかったときの手続きにもつながります。
取り決めの内容は、状況が変われば見直すこともできます。一度決めた内容を固定的に考えすぎず、必要なときは話し合いの場を持ち直してください。
面会交流で揉めやすい点
実際にご相談を受けていて、揉めやすいと感じる点を挙げます。
- 頻度と時間(月1回か、もっと多いか)
- 場所(自宅か、外か)
- 連絡の窓口(直接か、代理人を通すか)
3番目を決めておくと、感情的なやり取りが減ります。

引き渡しの場面で気をつけること
子どもの受け渡しの場面は、両親が顔を合わせる数少ない機会になります。
感情的なやり取りを、子どもの前で見せないこと。ここだけは、意識して守っていただきたいところです。
直接顔を合わせるのがつらい場合は、第三者機関を挟んで引き渡しを行う方法もあります。
子どもが複数いる場合、面会交流の形をきょうだいで揃えるかどうかも、話し合っておきたい点です。
年齢によって望むことが違うこともあります。上の子だけ会いたい時期がある、というのも自然なことです。
きょうだいで同じ形にこだわりすぎず、それぞれの気持ちに合わせる余地を残しておくと、無理が少なくなります。
調査でお手伝いできること
私の立場でお手伝いできるのは、事実の記録です。
約束の時間に来なかった、連絡なく変更された。そうした経過を、日時とともに残しておくことは、あとの話し合いで役に立ちます。
ただ、親権や面会交流の内容そのものを決める力はありません。そこは弁護士と家庭裁判所の領分です。
子どもの前で気をつけたいこと
最後に、これだけは書いておきます。
相手への不満を、子どもの前で口にしないこと。子どもは、両方の親のことが好きなままでいたいと思っていることが多いです。
大人の対立を、子どもに背負わせない。それだけを、心に置いていただければと思います。
よくあるご質問
共同親権を選ぶと、何が変わりますか。
重要な決定を両方の親で行う形になります。日常の細かな世話や判断はどちらがするかを別に決めるのが基本です。詳しい仕組みは弁護士にご確認ください。今後の運用の変化にも注意が必要です。
面会交流を相手が守らないときはどうすればいいですか。
まず記録を残してください。日時と、何がどう変わったかをメモしておくと、家庭裁判所に相談する際にも役立ちます。問い詰めるより、記録のほうが後で効いてきます。感情的にならず淡々と続けてください。
子どもの気持ちは、どうやって確認するのですか。
年齢によりますが、家庭裁判所の調査官が子どもと話す機会を設けることがあります。大人が無理に聞き出そうとしないほうがいいです。子ども自身のペースを大切にしてください。
相談だけで終わって、大丈夫です。話を聞いた私が、そのまま夜の現場に出ます。
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