
画面の写真は、単体では弱いです。ただ、使い方によっては、強い材料の一部になります。
「証拠を持っています」と言われて出てくるものの多くが、スマホの画面を撮ったものです。
無駄ではありません。ただ、それだけで話が決まることは、ほとんどありません。理由を書きます。
なぜ弱いのか
3つあります。
- 誰と誰のやり取りかが、画面だけでは確定しにくい
- 前後の文脈が切れている
- 文面が「会った」「食事をした」までで止まっていることが多い
3番目が本質です。親しいやり取りがあることと、不貞行為があったことは、別の話として扱われます。ここを埋めないと、先に進みません。

それでも取っておく価値はある
弱いから捨てていい、という話ではありません。
日付が入っていれば、行動の記録と重ねられます。「この日に会う約束をしていて、実際にその日に外出している」。この形になると、意味が変わります。
ですから、見られる状態にあるなら、日付が分かる形で残しておいてください。
残し方
実務的な注意を書きます。
- 画面の上部(日時が出る部分)まで入れて撮る
- やり取りの前後も、続けて撮る
- 相手の表示名だけでなく、アカウントが分かる画面も撮る
- 撮った日を、別のメモに書いておく
2番目が抜けている方が多いです。都合のよい1画面だけを切り取ったように見えると、価値が落ちます。
やってはいけない残し方
前の回にも書きましたが、繰り返します。
相手のスマホのロックを解除して撮ることは、避けてください。そうして得たものは、あとで使いにくくなります。
見られる状態にあるもの、たとえば共有のタブレットや、開いたまま置かれた画面。その範囲で足ります。実際、その範囲から出てくるものが、いちばん扱いやすいです。
文面から分かる、別のこと
証拠としては弱くても、読み取れることがあります。
会う頻度、時間帯、待ち合わせの場所、相手の呼び方、相手の生活の様子。これは、こちらが動く日を決めるための材料になります。
「金曜の夜が多い」「◯◯駅で待ち合わせている」。この2つが分かるだけで、必要な日数が変わります。
証拠として使うのではなく、地図として使う。そういう位置づけだと考えてください。
相手に見せない
最後に、いちばん大事なことを。
撮った画面を、相手に見せないでください。見せた瞬間に、そのやり取りは消えます。そして、次からは別の方法に移ります。
見せたくなる気持ちは分かります。手元にあるものを使いたくなるのは自然です。ただ、使うのは、そろってからです。
文面より、時刻が効く
実務の感覚を1つ書きます。
画面を見るとき、こちらがまず見るのは文面ではありません。送受信の時刻です。
深夜に続いているのか、勤務時間中なのか、休日の午前なのか。時刻の分布が分かると、生活のどこに時間が割かれているかが見えます。
そして、その時間帯に外出しているかどうかを、記録と突き合わせます。ここが一致したとき、はじめて意味が生まれます。
「消された」という事実も残る
やり取りが消されていることに気づく方がおられます。
消えたものは戻りませんが、消えたという事実と、その日付は記録になります。「◯月◯日、前日まであったやり取りがなくなっていた」。この一行で足ります。
消す行為は、こちらが何かに気づいたと相手が感じた合図でもあります。その前後に、こちらが何をしたかを思い出してみてください。何かのきっかけがあったはずです。
きっかけが分かれば、次から同じことをしないで済みます。
よくあるご質問
相手のスマホを見て撮ってしまいました。使えませんか。
使い方に注意が要ります。話し合いの場に出すと、こちらの行為が問題にされます。行動の記録を別に用意して、そちらを軸にする形をおすすめします。
文面に、はっきりした内容が書かれています。それでも足りませんか。
内容によっては、かなり強い材料になります。ただ、単体で完結させるより、行動の記録と重ねたほうが確実です。
消される前に、全部保存すべきでしょうか。
見られる状態にあるものは、残しておいてください。そのために相手の端末を開けにいくのは、別の問題になります。
相談だけで終わって、大丈夫です。話を聞いた私が、そのまま夜の現場に出ます。
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