
証拠がなければ離婚できない、というのは正確ではありません。どの場面で必要になるのかを書きます。
自分の仕事を減らす話を書きます。
離婚するだけなら、調査は要らないことがあります。これは、はっきり書いておくべきだと思っています。
協議で離婚する場合
お互いが合意すれば、届出だけで離婚が成立します。
理由は問われません。不貞があったことを証明する必要も、ありません。
ですから、相手が離婚に応じており、条件でも争いがないなら、調査は不要です。

証拠が必要になる場面
一方、次の場合には必要になります。
- 相手が離婚に応じない
- 相手が不貞を否認している
- 慰謝料を請求したい
- 相手方(不倫相手)にも請求したい
- 親権や条件で争いがある
2番目と3番目が、いちばん多い理由です。
裁判で離婚するには、理由が要る
相手が応じない場合、最後は裁判になります。
民法は、裁判で離婚できる場合を定めています。その第1号が「配偶者に不貞な行為があったとき」です(民法第770条第1項第1号)。
ここで、不貞があったことを示す必要が出てきます。ですから、争いになりそうな場合は、先に材料をそろえておくことになります。
慰謝料は、別の話
離婚と慰謝料は、別の手続きです。
離婚に応じてもらえても、慰謝料を払ってもらえるとは限りません。払わせるには、根拠が要ります。
相手が認めていれば、証拠がなくても合意できます。認めない場合は、材料が要ります。
相手方への請求は、証拠がないと難しい
とくに、相手方(不倫相手)への請求は、証拠なしでは進みません。
相手方は、こちらの家庭の事情を認める理由がありません。「知らない」「そんな関係ではない」で終わります。
そして、誰かも分からなければ、請求書を送ることもできません。
先に弁護士へ、をおすすめする理由
ですから、いつも同じことを申し上げています。
まず弁護士に相談して、「証拠が必要かどうか」を聞いてください。不要と言われたら、調査は要りません。
必要と言われたら、「どういう形のものが必要か」まで聞いてきてください。それが分かっていれば、無駄のない調査になります。
それでも確かめたい、という場合
手続きとして不要でも、確かめたいという気持ちはあります。
それも、正当な理由だと思っています。分からないまま終わらせると、あとで引きずります。
その場合は、そう言っていただければ結構です。手続きのためではなく、ご自身が納得するための調査、という形で組みます。
「認めている」の中身を確かめる
相手が認めているから調査は不要、と考える前に、確かめておくことがあります。
何を認めているのかです。「会っていたことは認めるが、関係はない」。これは、認めているとは言えません。
慰謝料の請求では、不貞行為があったかどうかが問題になります。会っていたことだけを認めても、そこは埋まりません。
ですから、「認めている」と言われたときは、その中身を確かめてください。曖昧なら、材料は要ります。
書面で認めさせておく
もう1つ、実務的な話です。
口頭で認めていても、あとで覆されます。認めているうちに、書面にしておいてください。
「◯年◯月ごろから、◯◯と不貞関係にあったことを認めます」。日付と署名があれば、それだけで有力な材料になります。
ただし、無理に書かせると効力を争われます。相手が自分から書く形にしてください。書かない場合は、そこで材料が必要だと分かります。
よくあるご質問
相手が離婚に応じています。それでも調べるべきですか。
手続きとしては不要なことが多いです。慰謝料や相手方への請求を考えておられるなら、話が変わります。
弁護士に相談する費用がありません。
法テラスの制度や、弁護士会の法律相談があります。条件を満たせば無料で相談できます。
調査が不要だと言われたら、断ってもらえますか。
そう申し上げます。必要のない調査をお受けすることはありません。
相談だけで終わって、大丈夫です。話を聞いた私が、そのまま夜の現場に出ます。
お電話は9時から21時まで受け付けています。最初の一言は「相談したい」だけで構いません。