
カメラやGPSの性能を尋ねられることがあります。実際に効いてくるのは、道具そのものより置く位置と時間です。
「どんなカメラを使っているんですか」。ご相談の途中で、そう聞かれることがあります。機材に対する関心は、それだけ調査の中身が見えにくいことの裏返しだと感じています。
機材の話は、私としてはあまり長くしません。結果を左右するのは、機材よりも置く位置と時間だからです。高価な道具をそろえることより、優先すべきことがあります。
カメラより、位置
望遠レンズがあっても、離れすぎた場所からでは、人物の同一性を示す写真になりません。遠くから撮った不鮮明な写真では、報告書としての価値が下がってしまいます。
近すぎれば、今度は気づかれる危険が上がります。適切な距離を見極めることが、機材の性能より先に来ます。この距離感は、経験によって培われるものです。

建物の構造や人通り、街灯の位置まで含めて、その場に合った立ち位置を選びます。同じ機材を使っても、選ぶ場所次第で写真の説得力は大きく変わります。
GPSについて
車の位置情報を確認する機器について、質問を受けることがあります。ご自身で用意して取り付けたい、というご相談です。
ご自身の名義の車であれば、大きな問題にはなりにくいです。ただ、相手の名義の車や、別居後の車に取り付けることは、慎重になってください。所有者以外が無断で取り付けると、別の問題に発展することがあります。
ストーカー規制法2条3項は、恋愛感情や怨恨の感情から、無承諾で位置情報を取得する行為を対象にしています。ご自身では判断がつきにくい場面なので、迷ったら先に相談してください。取り付ける前の一言が、後々の安心につながります。
時間のかけ方
機材よりも重視しているのは、いつ、どれだけの時間を張るかという計画です。同じ1日でも、時間帯の選び方で結果は大きく変わってきます。
対象の生活パターンが見えていないまま長時間張っても、成果につながりにくいです。闇雲に長時間をかけるより、狙いを定めることのほうが大事です。
事前の情報から、動きやすい時間帯を絞り込みます。この絞り込みの精度が、日数と費用に直結します。情報が具体的であるほど、無駄な時間を減らせます。
機材は目的ではなく手段
最新の機材を使っていることを前面に出す事業者もいます。見学会のように機材を並べて見せる事業者も、実際にあります。
悪いことではありませんが、機材の説明が長い見積もりほど、位置と時間の説明が薄いことがあります。説明の重心がどちらにあるかを見てみてください。
見積もりを受け取ったら、機材の話より先に、どの時間帯を、どこで張るのかを聞いてみてください。具体的な答えが返ってくるかどうかで、経験の差が見えてきます。
記録の質を決めるもの
写真がきれいに撮れているかより、日時・場所・人物の同一性が読み取れるかが基準です。芸術的な構図は、報告書には必要ありません。
これは機材の新しさとは、別の話です。経験のある調査員が、正しい位置に立てているかどうかで決まります。年数を重ねた調査員ほど、この勘所を押さえています。
見積もりの中の機材費
機材費という項目を、独立して見積もりに立てる事業者もあります。金額そのものより、内訳が分かる形になっているかを見てください。
「一式」とだけ書かれていると、あとで何にいくらかかったのかが分かりません。細かく分けて示してもらうほうが、あとで振り返りやすくなります。
機材の減価償却分を上乗せしている場合もあります。その場合も、理由を説明してもらえるかどうかで、事業者の姿勢が見えてきます。
よくあるご質問
どんな機材を使っているか教えてもらえますか。
概要はお伝えできますが、細かい仕様は調査の性質上、詳しくお話ししていません。ご不安な点があれば、報告書の見本をお見せしながらご判断いただければと思います。
自分の車にGPSをつけて、記録を取ってもいいですか。
ご自身の名義の車であれば、大きな問題にはなりにくいです。ただ、判断に迷う場合や、名義が異なる場合は、取り付ける前に必ずご相談ください。
高性能なカメラを使えば、必ずよい報告書になりますか。
機材だけでは決まりません。置く位置と時間の見極めのほうが、報告書の質に直結します。経験を積んだ調査員の判断力が、最終的な差になります。
相談だけで終わって、大丈夫です。話を聞いた私が、そのまま夜の現場に出ます。
お電話は9時から21時まで受け付けています。最初の一言は「相談したい」だけで構いません。