
写真は撮れていればいいわけではありません。何が写っていれば証拠として使えるのか、条件を具体的に書きます。
相談の中で、スマホに保存した写真を見せていただくことがあります。ほとんどの場合、次の一言が続きます。「これは、証拠になりますか」
結論から言うと、条件があります。きれいに撮れているかどうかは、あまり関係がありません。芸術的な構図より、あとで説明のいらない写真のほうが、はるかに役立ちます。
条件は、たった3つ
証拠として意味を持つ写真には、共通する条件があります。
- 誰なのかが分かること(顔、または服装と体格の連続性)
- いつなのかが分かること(時刻の記録、または背景の時計や看板)
- 何をしているところかが分かること(手をつなぐ、部屋に入る、など具体的な行動)
この3つがそろって、1枚の写真に初めて意味が生まれます。遠すぎる、逆光、日時の情報が消えている。こうした写真は、見た目には写真でも、証拠としての力はかなり弱くなります。

一枚より、時間の流れがある形
静止画1枚だけより、複数の場面がつながっているほうが強くなります。建物に入る場面と、出る場面。両方があれば、そこで過ごした時間の長さが示せます。
人物特定は、顔だけに頼る必要はありません。服の色や柄、鞄の形、靴。複数の写真に同じ特徴が写っていれば、同一人物だと示す材料になります。
動画で残っている場合は、なお伝わりやすくなります。歩き方や表情の変化まで含めて、状況が再現できるからです。ただし枚数や長さより、最初と最後がそろっているかどうかのほうが重要です。
撮る前に、考えてほしいこと
ご自身で撮ろうとする方には、必ずお伝えしていることがあります。
公道や誰でも入れる場所からの撮影であれば問題になりにくいですが、相手の敷地に無断で立ち入って撮影すれば話が変わります。刑法第130条は、正当な理由なく人の住居や敷地に立ち入ることを禁じています(3年以下の拘禁刑または10万円以下の罰金)。
証拠を得るために、別の問題を自分で作ってしまっては意味がありません。撮った写真は、日時順に並べ、状況の説明を添えて、初めて報告書になります。

書き残しておくこと
写真だけでなく、簡単な記録も残しておくと、あとの整理がしやすくなります。
・9月3日(木)21時40分、帰宅時の上着が前日と違う。ボタンの位置に見覚えがない
・9月8日(火)スマホの通知音が、いつの間にか消音設定になっていた
・9月15日(火)休日の外出先を「買い物」とだけ聞いた。レシートは見ていない
日付が入っているかどうかで、あとから絞り込める範囲がまるで変わります。感想ではなく、見えた事実だけを書いてください。3行程度で構わず、無理に長く書く必要はありません。
この段階でできること・できないこと
できないことを先に申し上げます。戸籍や住民票を取ること、通話の記録や口座の中身を見ること、相手に直接話をつけること(弁護士法第72条)、家の中に無断で入ること。これらは、この段階ではできません。
できるのは、見えた範囲を記録し、条件のそろう写真に整えていくことです。集まった記録をもとに、弁護士など次の相談先へおつなぎすることもできます。ご自身で撮った写真がある場合は、条件に照らして一緒に見直すこともできます。
費用と時間の目安
調査は、1時間25,000円(税込・調査員2名・3時間から)を基準にしています。
3時間なら75,000円、6時間なら150,000円が目安です。写真の条件が整うまでの時間は、行き先の予測がどこまでできているかで変わります。
ご自身の記録があると絞り込みが早くなり、結果として時間も費用も抑えやすくなります。逆に手がかりが何もない場合は、まず短い時間で様子を見てから、必要な時間を見直す形をご提案します。
よくあるご質問
スマホの写真だけでも証拠になりますか。
条件がそろっていれば使えることがあります。撮影日時の情報が残っているか、スマホの設定画面からまず確認してください。消えている場合は、他の記録と組み合わせて補う方法を一緒に考えます。
画質が悪い写真でも意味はありますか。
画質より、日時と人物と場所の3つが分かるかどうかが重要です。粗い写真でも、服装や場所の特徴が読み取れれば、他の写真と組み合わせて材料になります。
写真が手元になくても、調査は頼めますか。
頼んでいただけます。写真がない状態からでも、行動パターンを見ながら、条件のそろう記録を新しく作っていくのが、こちらの仕事だからです。
相談だけで終わって、大丈夫です。話を聞いた私が、そのまま夜の現場に出ます。
お電話は9時から21時まで受け付けています。最初の一言は「相談したい」だけで構いません。