
調査の記録は、残す理由と消す理由の両方があります。保存と処分の考え方を書きます。
調査が終わったあと、報告書や記録をどのくらい保存しているのか、聞かれることがあります。
残す理由と、消す理由の両方があります。今回は、その考え方を書きます。
どちらか一方だけを重視すればいいという、単純な話ではありません。
「証拠は一生持っておくべきですか」という質問を、これまで何度か受けたことがあります。答えは、必ずしもそうではありません。
残しておく理由
まず、残しておく理由です。慰謝料の請求など、法的な手続きに進む場合、あとから「もう一度確認したい」という場面が出てきます。
手続きの途中で、追加の証拠として過去の記録を求められることもあります。すぐに手続きに進まなかった場合でも、一定期間は残しています。弁護士に相談するタイミングが、調査の直後とは限りません。数ヶ月、時には1年以上経ってから、というケースもあります。

消す理由
一方で、いつまでも残しておけばよいわけでもありません。探偵業法10条では、秘密の保持が定められており、これは廃業したあとも続く義務です。
個人の情報を含む記録を、必要以上に長く持ち続けることは、リスクでもあります。目的を終えた記録は、期間を決めて処分します。情報が漏れるリスクは、保管する側の管理体制だけでなく、保管する期間の長さにも比例します。
残すことと消すこと、どちらも依頼者を守るための判断です。
保存期間の考え方
具体的な期間は、内容や、進んでいる手続きの有無によって変わります。裁判に発展する可能性がある間は残し、目的が完全に終わった段階で処分する、という考え方です。
一律に「何年」と決めきれない部分ですので、ご依頼のときに、想定される保存期間の目安をお伝えしています。手続きが完全に終わったかどうかは、依頼者の方からの連絡がないと分からないこともあります。節目には、こちらからも状況を確認しています。
依頼者側にもお願いしていること
お渡しした報告書やデータは、依頼者側でも保管の仕方に気をつけていただきたいものです。
家族の目に触れる場所に置かない、パスワードを設定する。渡したあとの管理は、こちらの手を離れます。ここは依頼者の方にもお願いしている点です。スマホに保存する場合は、他のアプリと連携させない、共有設定を確認するといった基本的な注意も、あわせてお伝えしています。
処分の方法
紙の書類はシュレッダーで、データは復元できない形で消去します。処分したかどうかも、記録に残しています。
「消してほしい」というご依頼があれば、期間の途中でも対応します。ただし、手続きが進行中の場合は、その旨をお伝えしたうえで相談させてください。
処分の記録を残しておくことも、あとで「確かに消しました」とお伝えできる根拠になります。処分の記録には、日付と方法を残しています。あとで確認を求められても、いつ、どのように処分したかを説明できるようにしています。
調停や裁判の途中で、当初の想定より長い期間、資料が必要になることもあります。その分の余裕を見て保管しています。
デジタルデータは、紙以上に複製や流出のリスクがあります。保存する機器そのものの管理にも、注意を払っています。
処分の時期が近づいてきた際は、事前にご連絡することもあります。延長を希望される場合は、そこでご相談ください。
保存や処分の方針に迷ったときは、遠慮なくその都度ご相談ください。一律の決まりに当てはめるより、状況に合わせて考えることを大事にしています。
残すか消すかで迷ったときほど、一度立ち止まって、目的に立ち返って考えるようにしています。
よくあるご質問
報告書のデータを、こちらでも消してほしいと頼めますか。
対応できます。ただし手続きが進行中の場合は、消してよいかを確認したうえで進めます。
保存されている間、記録は誰が見られるのですか。
業務に関わる最小限の者に限っています。第三者に見せることはありません。
何年くらい保存されるものなのですか。
内容によって幅があり、一律の年数は決めていません。ご依頼の際に目安をお伝えします。
相談だけで終わって、大丈夫です。話を聞いた私が、そのまま夜の現場に出ます。
お電話は9時から21時まで受け付けています。最初の一言は「相談したい」だけで構いません。