
報告書は、誰が読むかによって必要な作りが変わります。渡す前に、行き先を決めておいてください。
「この報告書は、最終的に誰が読むのか」。ここを最初に決めておくと、あとの流れが驚くほど早くなります。
多くの方は、まずご自身が読むことだけを考えて依頼されます。それ自体は、まったく自然なことです。
ただ、実際に効いてくるのは、そのあとです。誰に見せるかによって、報告書に求められる正確さがまるで変わってきます。
依頼の面談で聞かれることが少ない質問ですが、答えを最初に決めておくだけで、出来上がりの形が大きく変わってきます。
面談の短い時間では、ここまで気が回らない方がほとんどです。だからこそ、こちらから最初に伺うようにしています。聞かれて初めて「そういえば」と考え始める方も多いです。
見せる先は、だいたい3つ
見せる先は、ご自身だけ、弁護士、裁判所。だいたいこの3つに分かれます。
ご自身だけであれば、要点が伝わればよいかもしれません。弁護士や裁判所となると、日時・場所・行動が、抜けなくそろっている必要があります。
どの3つになるかで、写真の枚数も、文章の細かさも変わってきます。最初にどれを想定しているか、遠慮なく伝えてください。
迷っている段階でも構いません。「まだ決めていない」と正直に言っていただければ、幅を持たせた作り方をします。
弁護士に見せるつもりなら
離婚や慰謝料の話が具体的になっている方は、最初から弁護士に見せる前提で報告書を作ります。
こちらからも、どの弁護士に、いつ見せる予定かを伺うことがあります。面談の日程が分かっていれば、間に合うように仕上げます。
弁護士が読むことを想定した報告書は、時系列がひと目で追えることを重視します。読み手が別の専門家だという前提で、言葉の選び方も変わります。
初回の面談の段階では、まだ弁護士を決めていない方も少なくありません。その場合は、決まってから教えていただければ十分です。作り方を大きく変える必要が出るのは、面談の直前になってからです。

裁判所への提出まで考えるなら
提出まで視野に入れる場合は、さらに一段、精度を上げます。
誰が読んでも同じ場面が浮かぶように、呼び方をそろえ、時刻の抜けをなくします。写真も、場所と時刻の両方が分かるものを優先して選びます。
この精度は、あとから足すことが難しいものです。撮影の段階での方針で、ほぼ決まってしまいます。
誰が、いつ、どの機材で記録したかも、あとで説明できるようにしておきます。作成の経緯まで問われる場面があるためです。
最終的に証拠として採用されるかどうかは、裁判所の判断によります。ただ、作り方の基本を守っておくことで、判断してもらえる可能性は着実に高まります。ここは事業者の経験が差になる部分です。
途中で見せる先が変わることもある
最初はご自身のためだけに頼んだが、途中で弁護士に相談することになった。こうした流れは、実際にはよくあります。
その場合は、分かった時点で教えてください。作り方を、その日から切り替えます。言っていただけないと、最後まで同じ作り方のまま進んでしまいます。
切り替えが早いほど、足りない部分を補いやすくなります。時間が経つほど、あとから撮り直せない場面が増えていきます。
誰にも見せないという選択
記録として持っておくだけで、誰にも見せるつもりはない。そういう方もいらっしゃいます。それも、ひとつの立派な決め方です。
その場合でも、あとで気持ちが変わることを想定して、標準的な作り方はしています。作り直しがきかない性質のものだからです。
「今は誰にも見せる予定がない」という言葉も、私にとっては大切な情報のひとつです。遠慮せずお伝えください。
気が変わったときにすぐ対応できるよう、写真データの原本は、一定期間そのままの形で保管しています。あとから「やはり弁護士に見せたい」となっても、撮り直しにはなりません。
よくあるご質問
報告書の形式は、弁護士によって違いますか。
細かな書式の好みはありますが、日時・場所・行動が明確であれば、多くの場合はそのまま使っていただけます。心配な点があれば、事前にお申し付けください。
裁判所に出すことが決まってから頼んでも間に合いますか。
間に合うこともありますが、時間に余裕がないほど選べる手段が減ります。決まった時点で早めにご相談ください。
報告書を後から書き直してもらうことはできますか。
事実に基づく訂正であれば対応します。ただ、見せる先に合わせて内容そのものを変えることはできません。
相談だけで終わって、大丈夫です。話を聞いた私が、そのまま夜の現場に出ます。
お電話は9時から21時まで受け付けています。最初の一言は「相談したい」だけで構いません。