
契約書に何が書かれているかで、あとのトラブルの起きやすさが変わります。見るべき7か所を挙げます。
契約書を、写真だけ撮って終わりにする方がいます。中身はあとで読めば大丈夫だろう、という考えです。実際に読み返すのは、トラブルが起きてからになりがちです。
見積もりの説明を聞いて、そのまま契約書に署名してしまう方も少なくありません。見積もりと契約書は、別の書類だということを、まず知っておいてください。
見るべき7か所
順に挙げます。書かれている場所を、実際に指でなぞりながら確認すると、見落としが減ります。
- 上限額(一式ではなく、時間の単価と時間数が明記されているか)
- 追加費用が発生する条件(誰の判断で、いつ連絡が来るか)
- 中途解約の条件(どの時点で、何割の費用がかかるか)
- 返金の計算式(日割りか、時間割か、端数の扱い)
- 記録の保存期間(写真・報告書データを、いつまで、どう保存するか)
- 使途の限定(調査結果を目的外に使わないという条項)
- 守秘義務(第三者への非開示、廃業後も続くかどうか)

特にもめやすい場所
実際のトラブルで多いのが、4番と5番です。「途中でやめたら、いくら戻るのか」が書かれていないと、感覚のずれがそのままもめごとになります。口頭で「日割りで返します」と言われても、書面にないと当てにできません。
2番と3番も関係しています。日程を延ばす提案が「追加費用」なのか「新しい契約」なのか、曖昧だと金額の見通しが立ちません。追加費用が発生する場合は、事前連絡と承諾が条件になっているかも確認してください。
守秘義務は探偵業法第10条に定められ、廃業後も続きます。契約書にも同じ趣旨の条項が入っているかを確認してください。使途の限定(6番)も、目に留まりにくい割に重要な項目です。目的外に使わないという一文があるかを見てください。

読んでも分からなければ、持ち帰る
その場でサインを急かされたら、いったん立ち止まってください。持ち帰って読む時間を求めるのは当然の権利です。
口頭で言われた特約は、その場で書面に書き加えてもらい、双方の押印か署名をもらっておくと確実です。口約束のまま契約書に反映されていない条件は、あとで「言った、言わない」になりがちです。
あとで効いてくるメモ
届出の場面でも、複数の事業者を比較する場合は、聞いた内容を簡単に記録しておくと、あとで見比べやすくなります。標識の有無や説明の丁寧さも、あわせてメモしておくと判断しやすくなります。
・9月4日(木)A社に電話。上限額の説明あり、返金の計算式は聞けず
・9月6日(土)B社で面談。守秘義務の説明を書面でもらう
・9月9日(火)A社に再確認。返金は日割りと回答
手を出せない領域があります
契約前の段階でできるのは、条件を比較し、疑問点を質問して書面に残すことです。見積もりの内容を、他の事業者と比べることもできます。
できないのは、契約前から調査を始めることです。正式な契約と重要事項の説明を経てから、業務が始まります。急いでいる場合でも、この順番が変わることはありません。
費用と時間の目安
調査は、1時間25,000円(税込・調査員2名・3時間から)が基準です。3時間なら75,000円、6時間なら150,000円が目安になります。
契約書には、この単価と時間数が明記されているかを確認してください。「一式」としか書かれていない見積もりでは、比較のしようがありません。複数社から見積もりを取る場合は、同じ時間数で比べると、金額の差が分かりやすくなります。
よくあるご質問
7つすべてが書かれていないと、契約できませんか。
必ずしもそうとは限りませんが、抜けている項目があれば、その場で追記を求めてください。特に上限額と返金の計算式は、最低限確認しておいてください。
契約書のひな形を、事前に見せてもらえますか。
多くの場合、見せてもらえます。契約の前に目を通しておくと、当日どこを確認すればよいかが分かり、判断がしやすくなります。
一度署名した契約書を、あとから直せますか。
内容によります。誤りや説明不足があれば、まず事業者に相談してください。応じない場合は、消費生活センターが相談先になります。
相談だけで終わって、大丈夫です。話を聞いた私が、そのまま夜の現場に出ます。
お電話は9時から21時まで受け付けています。最初の一言は「相談したい」だけで構いません。