
探偵業法6条から9条にかけて、契約までに事業者が踏むべき手順が定められています。確認の仕方を書きます。
探偵業法には、探偵業者が契約までに踏むべき手順が定められています。今回は、6条から9条にかけての部分を書きます。
ここは、依頼する側にとっても知っておく価値のある部分です。守られているかどうかで、事業者の姿勢が分かります。
条文の言葉だけを読むと堅苦しく感じますが、内容は依頼者を守るためのものです。
契約の場面で交わされるやり取りの中に、これらの条文の内容がきちんと現れているかどうかを、依頼者の立場からも見ていただきたいと思います。
6条 実施の原則
6条には、業務の実施にあたっての原則が書かれています。他人の生活の平穏を害するようなことがあってはならない、という趣旨です。
違法な手段を使う、必要以上に踏み込む。こうしたことは、この原則に反します。調査の目的があっても、手段は選ばれます。この原則があるからこそ、探偵業は「何でも調べていい仕事」ではないと、法律上はっきりしています。
7条 重要事項の説明
7条は、契約前の説明義務です。契約を結ぶ前に、書面を交付して、依頼の内容や料金など重要な事項を説明しなければならない、と定められています。
口頭だけの説明で契約を進めようとする事業者がいれば、ここに反している可能性があります。
説明を受ける側も、聞いたその場で分からないことは、遠慮せず聞き返してください。重要事項として説明されるべき内容には、業務の範囲や、解約に関する取り決めも含まれます。料金だけの説明で終わらせないよう、注意してください。

8条 書面の交付
8条は、契約が成立したときの書面交付義務です。契約の内容を記した書面を、遅滞なく渡さなければなりません。
「口約束で始めましょう」という進め方は、この義務に反します。契約書がない状態で調査を始めるのは、避けてください。書面には、契約年月日や、業務の内容、料金など、あとで確認できる形で記載されている必要があります。曖昧な書き方の契約書には注意してください。
9条にかけての定め
9条にも、業務の実施に関わる定めが続きます。細かな文言は、法改正で変わることがあります。正確な内容は、その時点の条文や、都道府県の公安委員会、弁護士にご確認ください。
私のところでは、この6条から8条までの流れを、契約前の面談で必ず踏んでいます。説明を省く事業者には、注意してください。
守られていないとき、できること
重要事項の説明も書面交付もないまま契約を迫られた場合は、その場で契約せず、持ち帰って考えてください。
都道府県の公安委員会には、探偵業に関する相談窓口があります。困ったときは、事業者に直接ではなく、そちらに相談する方法もあります。
手順を守っているかどうかは、契約前のわずかなやり取りでも見えてきます。これらの手順を最初から丁寧に踏む事業者は、契約後の対応も丁寧である傾向があります。契約前の姿勢は、そのままあとの姿勢に表れます。
この原則に反する行為があった場合、指示や営業停止といった行政処分の対象になることもあります。
重要事項の説明を受けた際は、その場で署名や捺印を求められることもあります。内容を理解してから応じるようにしてください。
契約書の控えは、依頼者の手元にも必ず残るようにしてください。事業者側だけが保管する形は、望ましくありません。
こうした手順は、面倒に見えるかもしれませんが、あとで「言った言わない」の争いを防ぐためのものです。依頼者にとっても利益のある仕組みです。
これらの条文を意識するだけで、事業者との最初のやり取りが、ずいぶん見えやすくなるはずです。
よくあるご質問
重要事項の説明は、口頭でも問題ないですか。
書面を交付したうえでの説明が必要とされています。口頭だけの場合は、書面を求めてください。
契約書がない状態で調査が始まってしまいました。大丈夫ですか。
本来は望ましくない状態です。早めに書面の交付を求め、応じない場合は公安委員会に相談することをおすすめします。
法律が変わったら、この記事の内容も変わりますか。
変わります。条文が改正された場合は、その都度書き直すようにしています。契約時は、その時点の書面でご確認ください。
相談だけで終わって、大丈夫です。話を聞いた私が、そのまま夜の現場に出ます。
お電話は9時から21時まで受け付けています。最初の一言は「相談したい」だけで構いません。