
入らずに撮る。越えない線をどこに引くか、考え方を書きます。
望遠レンズがあれば、塀の中も写ります。写せることと、写していいことは別です。
この記事では、私有地との距離の取り方について書きます。
入らないことが前提
刑法130条は、住居侵入を定めています。
正当な理由なく人の家や敷地に立ち入ることは、これにあたります。
調査のためであっても、この決まりが変わることはありません。
敷地の中に立ち入って撮影することは、私のところでは行いません。
玄関先や庭であっても、敷地に含まれることに変わりはありません。
敷地の一部でも、無断で足を踏み入れれば同じ扱いになります。
塀の外から写ることについて
道路や、誰でも入れる場所から、敷地の中の様子が見えてしまうことがあります。
この場合、見えている範囲を撮ること自体は、直ちに違法とは言えません。
ただし、脚立を使って塀を越えて見る、望遠レンズで室内を狙うといった行為は、話が変わってきます。
越えているのは、境界線だけではないためです。
音声を拾うマイクを敷地に向けることも、写真と同じ考え方で慎重に扱うべきです。
見える範囲であっても、長時間居座って観察を続けることは、別の問題を招くことがあります。

ドローンを使って上空から敷地内を撮影することも、同じ考え方で慎重に扱う必要があります。
上空からの撮影は、プライバシーの侵害としてより厳しく見られる傾向があります。
マンションのベランダも、外から見えるからといって撮影してよい場所ではありません。
越えない線をどこに引くか
私のところでは、公道や、誰でも立ち入れる場所からの確認にとどめます。
敷地の中に踏み込む、越境して覗き込む、といったことはしません。
生垣や柵など、目印になるものがあれば、それを越えないことを基準にしています。
郵便受けや駐車場など、境界があいまいな場所も、事前に確認するようにしています。
境界線がはっきりしない場所では、より慎重な距離を取るようにしています。
私有地の定義に迷う場所(共用の通路や空き地など)もあります。判断に迷えば、より慎重な側を選びます。
私有地の中まで確認したい事情がある場合は、方法を変えて考えます。
管理会社を通じて確認できることもあれば、別の場所での行動確認に切り替えることもあります。
近隣の住民に話を聞くことも、私のところでは慎重に判断しています。
越境しないという原則は、調査員全員に共有し、徹底しています。
違法に得た証拠のリスク
無理な方法で得た記録は、裁判で証拠として認められないことがあります。
それだけでなく、撮影した側が別の責任を問われる可能性も出てきます。
結果を急ぐあまり、こうしたリスクを見落とさないようにしてください。
違法に得た証拠は、かえって相手側に反論の材料を与えてしまうこともあります。
正当な方法で集めた記録のほうが、結果的に強い証拠になります。
無理に一線を越えて得た記録は、あとで証拠としての価値そのものが問われることにもなりかねません。
越えないことが、結果的に確かな記録につながります。
越えない距離を保つことは、依頼者の利益を守ることにもつながります。
迷ったときの考え方
撮ろうとしている場所に、自分は入る権利があるか。そこに立って考えてみてください。
答えに迷う場合は、その場では撮らずに、あとで私や弁護士に確認してください。
迷った場合は撮影を見送る。それが結果的に、確かな調査につながっています。
境界線を守ることは、調査の質を落とすことではありません。
むしろ、正しい方法で得た記録こそが、確かな証拠になります。
急いで結果を出そうとするあまり、一線を越えてしまう誘惑もあるかもしれません。
そこで踏みとどまることが、プロとしての務めだと考えています。
依頼者にとっても、正当な方法で得た証拠のほうが、安心して使えます。
私有地との距離の取り方は、経験を重ねるほど分かってくる部分もあります。
それでも、迷ったときは慎重な側を選ぶという原則は変わりません。
この原則を守ることが、結果的に依頼者の利益につながると信じています。
調査の質は、大胆さではなく、正確さと誠実さで測られるものだと考えています。
越えない線を守りながら、できる限りの確認を尽くします。
分からないことがあれば、いつでもご相談ください。
よくあるご質問
マンションの敷地内は、私有地にあたりますか。
多くの場合、共用部分を含めて私有地として扱われます。エントランスの中に立ち入ることは避けています。
敷地の外から見える窓の中を撮ってもいいですか。
見える範囲かどうかだけでなく、望遠で覗き込むような撮り方は避けるべきとされています。慎重に判断しています。
この記事の内容は、これからも同じですか。
法律や解釈が変わることもあります。変わった場合は、この記事も書き直します。
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