
GPSが違法になるかどうかは、誰の持ち物か、どこに付けたか、目的は何かの3点で変わります。順番に整理します。
「GPSをつけるのは違法ですか」。この質問は、本当によくいただきます。
答えは、一律には出ません。誰の物に、どこで、何の目的で付けるか。この3つで変わります。順番に書きます。
1つめ 誰の持ち物か
配偶者が単独で所有する車なのか、家計から出した共有の車なのか。ここがまず問われます。
共有名義であっても、日常的に配偶者が専用で使っているものであれば、無断で機器を付ける行為は問題になり得ます。名義だけで割り切れる話ではありません。

2つめ どこに取り付けたか
車の中か、外側か、鞄の中か。取り付ける場所によって、話は変わってきます。
本人が普段から身に着けている物、日常的に持ち歩く物、所持する自動車などに無承諾で取り付ける行為は、ストーカー規制法2条3項3号が定める行為の一つに当たり得ます。
車の下にマグネット式の機器を取り付けるという方法をよく聞きますが、取り付ける瞬間に人目についたというお話も少なくありません。技術以前に、この段階でつまずくこともあります。
3つめ 目的は何か
ここが、いちばん誤解されているところです。
同法が対象とするのは、恋愛感情、またはそれが満たされなかったことへの怨恨の感情に基づく行為です。浮気を確かめたいという動機がこれに当たるかどうかは、状況によって判断が分かれます。該当すれば、18条により1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金の対象になります。
「確かめたいだけで、恨みではない」と考える方もいますが、この判断は最終的に自分ひとりで下せるものではありません。

判断に迷う場合は、先に確認を
3つとも自分に当てはまるかどうか、自分だけで判断するのは難しいものです。
取り付ける前に、こちらか弁護士に一度確認していただくことをおすすめします。付けてしまってからでは、取れる選択肢が減ります。行動を見る方法は、GPS以外にもあります。
手軽に買える機器だからこそ、深く考えずに使ってしまう方もいます。手軽さと、法律上の安全さは、別の話だと考えてください。
ご家族から心配して相談を受けることもありますが、家族であっても、本人以外が勝手に判断して取り付けてよい話ではありません。
取り付けを検討する段階で立ち止まれるかどうかが、その後の展開を大きく左右します。焦って行動する前に、一呼吸置いてください。
条文の解釈や運用は、時代とともに変わっていく分野です。少し前の情報をそのまま信じて動くと、判断を誤ることがあります。
家庭内の車をどう使うかについて、日頃から夫婦で話し合っておくことも、こうした問題を避ける一つの方法です。お互いの持ち物や使い方について、あらためて確認しておくのも良いことです。
GPS機器を扱う販売店の中には、購入時に用途を尋ねるところもあります。用途をはっきり答えられない使い方は、避けたほうが無難だという一つの目安になります。
すでに市販されている機器の中には、法律の要件を意識して作られたものと、そうでないものが混在しています。機器の説明書きだけを信じて安心しないようにしてください。
迷ったときにいちばん確実なのは、行動に移す前に相談することです。取り付けてしまってからでは、選べる選択肢が限られてしまいます。
GPSに限らず、証拠を集めたいという気持ちが先走ると、方法を選ぶ余裕がなくなりがちです。焦る気持ちがあるときほど、一度立ち止まる時間を作ってください。
滋賀県内でも、ストーカー規制法に基づく相談は警察の生活安全担当が窓口になっています。法律の適用について直接尋ねることもできます。
よくあるご質問
自分が所有する車に付けるなら問題ありませんか。
所有関係だけで決まるものではありません。日常的に配偶者が使っている車であれば、状況によって問題になり得ます。
法律は今後変わることもありますか。
あります。条文の内容が変わった場合は、このブログも書き直しています。最新の情報は弁護士にもご確認ください。
GPSを使わずに行動を確認する方法はありますか。
あります。尾行や記録の積み重ねで、行き先や時間の傾向は分かります。ご相談の際に方法をご説明します。
相談だけで終わって、大丈夫です。話を聞いた私が、そのまま夜の現場に出ます。
お電話は9時から21時まで受け付けています。最初の一言は「相談したい」だけで構いません。