
子どもの前で、完全に隠すのは難しいものです。隠すことより大事にしてほしいことを書きます。
相談の最後に、「子どもの前では、普通にしていられますか」と聞かれることがあります。
正直に言うと、完全に隠すのは難しいです。子どもは、思っている以上に大人の様子を見ています。
隠しきれない、という前提
表情や声のトーン、家の中の空気。
子どもは、内容までは分からなくても、「何かいつもと違う」ということには気づきます。隠そうとする努力自体が、かえって緊張を生むこともあります。
子どもは、大人が思っている以上に、声のトーンの変化に敏感です。言葉の内容より、話し方のほうが伝わっていることがあります。

日常のリズムを、できる範囲で保つ
隠すことに力を使うより、いつもの生活リズムを保つことに力を使ってください。
食事の時間、寝る時間、学校の準備。変わらないことがあると、子どもはそれだけで安心します。
難しいときは、完璧を目指さなくて構いません。いつもの半分でもできれば、それで十分だと考えてください。
離婚しない場合にも、同じことが言える
ここまでは離婚を前提に書きましたが、修復を目指す場合でも、事情は同じです。
話し合いの期間中、子どもの前でぴりぴりした空気を出さないようにする、という点は変わりません。結論が出る前の時期こそ、意識してほしいところです。
話し合いが長引くと、家の中の空気もそれだけ長く緊張したままになります。短い区切りごとに、意識して肩の力を抜く時間を作ってください。
泣く場所を、別に持っておく
完全に隠すことより、泣く時間と場所を分けることをおすすめしています。
子どもが学校に行っている間、車の中、お風呂の中。「ここでは出していい」という時間を、自分の中に決めておくと、少し楽になります。
同じ場所を繰り返し使うことで、その場所に行くだけで少し気持ちが落ち着くようになる、という方もいます。
子どもに、どこまで話すか
年齢によって、伝え方は変わります。
小さいお子さんには、詳しい事情より「大丈夫だよ」という安心を優先してください。詳しい説明は、年齢が上がってから、聞かれたときに答える形でも遅くありません。
一度にすべてを話す必要はありません。子どもの理解が追いついていないと感じたら、日を分けて少しずつ伝えても構いません。

子どもの年齢別の受け止め方
未就学のお子さんは、雰囲気の変化に敏感です。抱っこや会話の時間を、いつもより少し増やすだけでも変わります。
小学生以上になると、言葉で説明できることが増えます。隠すより、短くてもいいので事実の一部を伝えたほうが、不安が長引かないことがあります。
思春期のお子さんは、あえて距離を置きたがることもあります。無理に話をさせようとせず、そばにいることだけを伝えておくのも一つの方法です。
一人で抱えないでください
泣くことも、隠すことも、一人で全部やろうとすると疲れます。
信頼できる友人、カウンセラー、私たちのような相談先。話す相手を、一人だけでも持っておいてください。
話す相手は、専門家でなくても構いません。まずは、安心して弱音を吐ける相手を一人見つけることから始めてください。
子どもを味方につけない
つらいときほど、子どもに気持ちを分かってほしくなります。
ただ、片方の味方にさせるような話し方は、子どもの負担になります。子どもには、どちらの味方もさせないという距離感を意識してみてください。
相手の悪口を子どもの前で言いたくなる場面もあると思います。ぐっとこらえることも、子どものための選択のひとつです。
正解はひとつではありません。ご自身と、お子さんに合った形を、少しずつ探していってください。
完璧な親を演じる必要はありません。できる範囲でいいという考え方が、結局は長く続けられます。
よくあるご質問
子どもにはいつ話すべきですか。
決まった時期はありません。子どもの年齢や様子を見ながら、聞かれたときに答える形で少しずつ伝えていっても構いません。無理に急がず、お子さんのペースに合わせて進めてください。無理をなさらないでください。大丈夫です。
子どもの前で泣いてしまいました。どうすればいいですか。
大きな問題ではありません。そのうえで、いつもと違う理由を短く伝えておくと、子どもの不安が和らぐことがあります。完璧を目指さず、できる範囲で心がけていただければ十分です。ご自身を責めないでください。大丈夫です。
離婚のことは誰に相談すればいいですか。
弁護士、カウンセラー、信頼できる友人など、話す相手は一人に絞らなくて構いません。まわりの力を借りてください。一人に決めず、複数の相談先を持っておくと気持ちが楽になります。一人で抱え込まないでください。
相談だけで終わって、大丈夫です。話を聞いた私が、そのまま夜の現場に出ます。
お電話は9時から21時まで受け付けています。最初の一言は「相談したい」だけで構いません。