
スマホを見てしまうと、法律の問題と関係の問題が同時に起きることがあります。両方について書きます。
スマホを見てしまった、という相談を受けることがあります。よくある形として書きます。見た直後は、動揺した状態でご連絡をくださる方が多いです。
見つけたものが何であれ、そのあとに二つの問題が同時に起きることがあります。一つは法律の問題、もう一つは関係の問題です。どちらか一方だけを気にしていると、もう一方で足元をすくわれることがあります。
法律の問題になる場合
ロックを解除して中身を見る行為は、状況によって不正アクセス禁止法にふれる可能性があります。パスワードを本人の同意なく使った場合などです。
スマホに何かのアプリを入れて位置情報を取得する行為も、目的や方法によっては刑法168条の2(不正指令電磁的記録)やストーカー規制法の対象になり得ます。証拠を取ろうとした行動自体が、別の問題になることがあります。知りたい気持ちが強いほど、この落とし穴に近づきやすくなります。

関係の問題にもなる
法律の問題にならない場合でも、見られたことに気づいた相手が、強く反発することがあります。
「なぜ見たのか」というやり取りが先に立ち、肝心の中身についての話し合いが後回しになってしまう。よくある流れです。せっかく何かに気づいても、そこから話が進まなくなってしまいます。
起きやすい流れ
- スマホを見る
- 問い詰める
- 相手が態度を硬化させる
- 証拠になりそうなものが消される
この順番になると、見た事実だけが残り、確かめたかった中身は失われることが少なくありません。取り返しがつかなくなってからのご相談も、少なくありません。
できることのほうを書きます
見たい気持ちは、自然なものです。責めるつもりはありません。ただ、方法を変えるだけで、残せるものが変わります。
スマホそのものより、明細やカードの使い方、帰宅時間の記録のほうが、あとで振り返ったときに使いやすい形で残ります。見る前に、一度その方法を検討してみてください。すでに見てしまった場合も、そこから記録の取り方を切り替えることはできます。
見てしまったあと、書き残しておくこと
見てしまった日時と、見た理由(不安が募っていた、たまたま画面が見えたなど)を、正直に記録しておいてください。
・9月5日(金)22時、充電中のスマホを開いてしまう。前夜からの不安が理由
あとで弁護士や私に相談するとき、経緯を隠さず話せると、次の手を一緒に考えやすくなります。
この段階でできること、できないこと
私のところでできるのは、これからの記録の取り方を一緒に組み立てることです。すでに見た内容そのものを、代わりに証拠化することはできません。
相手との話し合いに同席したり、相手に直接話をつけたりすることもできません。交渉は弁護士法で弁護士だけに認められた領域です。
見てしまったことをきっかけに、関係がぎこちなくなる時期が続くこともあります。その間も、記録だけは切らさずに続けてください。時間が経てば、気まずさが薄れていくことも多いです。焦らず、様子を見る期間として捉えてください。
見てしまった経験は、次に同じ場面に出会ったときの判断材料にもなります。一度立ち止まる練習だと考えて、次に活かしてください。すでに終わったことを悔やみ続けるより、次にどう動くかに気持ちを向けたほうが、前に進みやすくなります。この記事が、次の一歩を考えるきっかけになれば幸いです。
よくあるご質問
ロック画面のパスワードを知っていれば見てもいいですか。
知っていることと、同意を得て使っていいことは別です。状況によっては問題になり得るので、慎重に考えてください。心当たりがある場合は、行動に移す前にご相談ください。
見てしまったことは、もう取り消せませんか。
起きたことは戻せません。ただ、そこからどう進めるかは選べます。責めずに、次の記録の取り方を一緒に考えます。同じことを繰り返さないための相談だと考えてください。
見る以外に、方法はありますか。
あります。ご相談いただければ、状況に合わせて、法律にふれない範囲でできる方法をお伝えします。すでに見てしまった場合でも、そこから切り替えることは可能です。
相談だけで終わって、大丈夫です。話を聞いた私が、そのまま夜の現場に出ます。
お電話は9時から21時まで受け付けています。最初の一言は「相談したい」だけで構いません。