
1枚の写真は、点にすぎません。線にするために必要なことを書きます。
ご自身で集めた写真やメッセージを持って、弁護士のところに行かれる方がいます。
そこで、「日付がはっきりしないと、証拠として弱い」と言われる。よくある流れです。持ち込んだ本人にとっては、意外な指摘だったりします。
集めているときは、十分だと思っていたはずです。あとになって、足りない部分が見えてくることがあります。
証拠集めは、思っている以上に専門的な作業です。何を、いつ、どう残すかによって、あとの使い道が大きく変わります。
1枚の写真では、何も証明できない
ホテルから出てくる写真が1枚あったとします。
それだけでは、いつのことか、誰と会っていたのか、続いているのか一度きりなのか、分かりません。写真1枚は、点にすぎません。
どれだけ鮮明な写真でも、この点は変わりません。写り方の良し悪しと、証拠としての強さは、別の話です。
角度や場所が分かる写真であっても、日付が抜けていれば説明が弱くなります。写真そのものの価値と、証拠としての価値は、別のものだとお考えください。
必要なのは、線にすること
必要なのは、複数の日にわたる記録をつなげて、線にすることです。
何月何日に会って、その次はいつで、というつながりが見えて、初めて「継続している関係」だと言えるようになります。日付が離れていても、パターンが分かれば線になります。
線として見えるようになると、相手方の生活パターンまで浮かび上がってくることがあります。パターンが分かれば、次に確認すべき点も見えてきます。

1回で終わらない理由
調査を1回で終わらせると、線にならないことが多いです。
対象者の行動は、毎回同じではありません。1回でうまく撮れないことは、珍しくありません。予定が急に変わることも、よくあります。
見積もりの段階で、複数回に分けて様子を見る組み方を提案されることがあるのは、この理由からです。1回で終わる前提の見積もりには、注意が必要です。
天候や急な予定変更で、初日にまったく動きが取れないこともあります。だからこそ、複数日の枠を確保しておくことが大切です。見積もりの回数を減らしたい気持ちはよく分かりますが、無理に1回にまとめると、かえって不十分な結果になりがちです。
自分で撮った写真の弱点
スマホで撮った写真にも、弱点があります。
日時の情報が、加工や送信の過程で失われることがあります。撮った瞬間の記録が、あとから消えてしまうことがあるということです。アプリを通して送った時点で、失われることもあります。
スクリーンショットも、元の投稿が消えれば、確認のしようがなくなります。ホテルへの出入りだけでなく、車のナンバーや服装の一致も、同一人物だと示す材料になります。
今からでもできること
すでに何枚か写真がある場合も、まだ間に合います。
いつ撮ったか、覚えている範囲でメモに残してください。記憶が新しいうちに書いておくことが、いちばん確実です。あとになるほど、記憶は薄れていきます。
曖昧な記憶でも、書かないよりは書いたほうがいいです。日付の幅があるなら、その幅のまま書き残してください。記憶があいまいな部分は、無理に断定せず「はっきりしないが◯月頃」のように書いておいても構いません。
証拠を集める作業そのものに、慣れている方はほとんどいません。分からないことがあれば、遠慮なく聞いていただきたいです。
よくあるご質問
自分で撮った写真は、まったく使えませんか。
そうではありません。日時のメモを添えていただければ、参考資料として十分に役立ちます。組み合わせ方は、ご相談の際にお伝えします。
何回くらい調査すれば、証拠として足りますか。
対象者の行動によって変わります。まず1回動いてみて、そこから必要な回数を見積もっていく流れになります。日を分けることで、見えてくるものが変わります。
すでに集めた証拠を見てもらえますか。
ご相談の際にお持ちいただければ、拝見した上で、今後どう進めるのが良いかをお話しします。弁護士に見せる前に、抜けている点をお伝えすることもできます。持参の形式は問いません。データでも紙でも構いません。
相談だけで終わって、大丈夫です。話を聞いた私が、そのまま夜の現場に出ます。
お電話は9時から21時まで受け付けています。最初の一言は「相談したい」だけで構いません。