
一本の電話が、調査の入口を狭くすることがあります。かけてしまったあとにできることを書きます。
電話を切ったあと、しばらく受話器を握ったままだった。そういう話を聞くことがあります。
何を言ったか、まだ耳に残っている。その状態のまま、次の行動を決めないでください。
こういうご相談は、珍しくありません。以下はよくある形としてお読みください。実在のご依頼の話ではありません。
電話をかけてしまう気持ち
疑いを抱えたまま日々を過ごしていると、確かめずにいられなくなる瞬間があります。
相手の勤務先に電話をかけてしまうのは、その延長にある行動です。
責めるためにこの記事を書いていません。待てなかったことより、これからどうするかのほうが大事です。
夜、一人で考えている時間が長くなると、行動が先に出てしまうことがあります。珍しいことではありません。
誰かに相談する前に、体が先に動いてしまう。そういう順番になる方は少なくありません。
溜め込んでいたものが、ある日突然あふれ出す。そういう形で表に出ることが多いようです。
自分を責めている方にこそ、まずお伝えしたいことがあります。一度の電話で、人としての価値が変わるわけではありません。
電話の先で起きていること
一本の電話で、相手には「気づかれた」ということが伝わります。
ここから、生活のしかたが変わることがあります。普段どおりを装ったり、都合の悪いものを片づけたりする動きです。
これから調査を頼もうとしている場合、調べにくさにつながります。
気づかれたと分かった相手は、次に何をするかを考え始めます。証拠になりそうな痕跡の整理も、その一つです。

スマホの中身を消したり、普段の行動パターンを変えたりする方もいます。
職場の同僚や上司にまで話が広がってしまうと、あとから収めるのが難しくなります。
連絡は本人にとどめておくほうが、この先の選択肢を狭めません。
まれに、相手がその場で退職や異動を申し出ることもあります。生活の基盤ごと動いてしまうと、話し合いの前提も変わります。
一度きりで終えられた場合
一度だけかけて、それ以降は控えたという方もいます。
大切なのは、そこで終われたかどうかです。
一度の電話で、すべてが決まるわけではありません。取り返しがつかない、と思い込みすぎないでください。
気持ちが落ち着いてから、次の一手を考えれば十分間に合います。
繰り返すと起きること
一度で終わらず、日を置いて何度もかけてしまう方もいます。
回数が増えると、相手の職場での立場にも影響が出てきます。
度が過ぎると、仕事の妨げになる行為として扱われる可能性も出てきます。
どこからがそれにあたるかは状況によって違うので、心配なときは弁護士に確認してください。
こちらの心証にも関わってきます。感情的な行動があったことが、あとで不利に働く場合もあります。
感情がたかぶっているときほど、同じ行動を繰り返しやすくなります。次にどう動くかは、落ち着いてからで十分です。
今できることと、私の立場
もう一度かけ直す必要はありません。直接会いに行くことも、今のところは控えてください。
止まっている時間も、無駄にはなりません。
かけてしまった日時と、話した内容は、覚えているうちにメモに残してください。
そのうえで、本当に確かめたいことは何かを整理してください。
友人や家族に、今の状況を話しておくことも助けになります。
私のところでは、対象者やその関係先に直接連絡を取ることはしません。見て、記録するだけです。
すでに電話をかけてしまった場合でも、そこから調査を組み立てることはできます。
まずは今の状況を、そのまま聞かせてください。恥じる必要はありません。
焦って動いた自分を、あとになって嫌いにならないでください。誰にでも、そういう夜はあります。
大事なのは、そこからどう立て直すかです。一歩ずつで構いません。
同じ状況を繰り返さないために、今回のことを振り返る時間を持ってみてください。
一人で抱え込まず、話せる相手を見つけることが、次の一歩になります。
よくあるご質問
電話をかけたことで、調査が難しくなりますか。
難しくなる場合はありますが、できなくなるわけではありません。相手の生活の変化を踏まえて、あらためて計画を立て直します。まずはそのままの状況を聞かせてください。
職場に迷惑をかけたことを、こちらから謝ったほうがいいですか。
状況によって判断が変わります。ご自身で動く前に、一度弁護士か私にご相談ください。謝り方や時期を誤ると、別の誤解を招くこともあります。
また感情的になって電話をかけそうで不安です。
そのお気持ちも含めてご相談ください。話すだけで、少し落ち着かれる方もいます。次にすべきことが見えると、衝動的な行動は減っていきます。
相談だけで終わって、大丈夫です。話を聞いた私が、そのまま夜の現場に出ます。
お電話は9時から21時まで受け付けています。最初の一言は「相談したい」だけで構いません。