
録音が使える場面と、使いにくい場面は分かれます。録る前に知っておいてほしいことを書きます。
鞄の中に、小さなICレコーダーを忍ばせて出かけた。そういうご相談をいただくことがあります。
録音は、証拠として力を持つことがあります。ただし、どう録ったかによって、扱いが変わります。
よくある形として書きます。個別のご相談の中身は、どなたのものであっても外に出しません。
自分が話している録音
ご自身が会話の当事者である場合、その会話を録音すること自体は、広く行われています。
相手に無断でも、直ちに違法になるわけではありません。
夫婦の会話、家族との会話。自分がその場にいた会話を録るのは、比較的認められやすい形です。
電話での会話も、自分が話している側であれば、同じ考え方になります。
スマホの通話録音機能を使う方も増えています。操作は難しくありません。
会話の途中から録り始めても、その部分は証拠として使えます。すべてが録れていなくても構いません。
録音を始めるタイミングに迷って、肝心な場面を録り逃す方もいます。日頃から準備しておくと安心です。
その場にいない会話を録ること
一方で、自分がその場にいない部屋に機器を置いて、他人同士の会話を録るのは、性質が違います。
住居に無断で立ち入って設置すれば、その時点で別の問題が生じます。
録音の内容以前に、置き方が問われることになります。
車の中や共用スペースであっても、置き方によっては同じ問題が起こり得ます。
GPS機能付きの小型機器を車に取り付ける行為は、また別の問題を含みます。この点は別の記事でも書いています。
職場の会議室や休憩室で録音する場合も、就業規則や会社の方針が関わってくることがあります。
職場の場合は、社内の相談窓口や労働組合に確認してから判断するという方法もあります。

使える録音、使いにくい録音
日時が分かること。声だけでなく、状況が分かる内容が含まれていること。
これがそろうと、証拠として力を持ちます。
編集で切り貼りされたと疑われる録音は、力が弱くなります。
長く、途切れずに録れているものが望ましいです。
雑音が多く、聞き取れない録音は、内容があっても証拠としての力が弱くなります。
何を録ったか分からないまま長時間の音声だけがあっても、聞き直す側の負担が大きくなります。
要点が分かるよう、日時と場面をメモに残しておくと役立ちます。
文字に起こしておくと、あとで見返すときにも扱いやすくなります。
スマホの容量が足りなくなり、途中で録音が止まっていたという失敗もよく聞きます。
迷ったときは
録ろうとしている場面が、自分が当事者かどうか。まずそこを整理してください。
判断に迷う場合は、録る前に弁護士に相談してください。
私のところでも、録音の扱い方についてはお話しできます。
すでに録ってしまったものがある場合も、そのまま持ってきていただいて構いません。
使える形かどうかを一緒に確認します。
第三者の会話が意図せず入ってしまった場合の扱いも、あわせてご相談ください。
録音の他に、メモや写真など別の記録と組み合わせると、より確かなものになります。
録音を武器のように使おうとすると、かえって話し合いがこじれることもあります。
録音という手段は、正しく使えば心強い味方になります。
一方で、使い方を誤ると、かえって不利な材料になることもあります。
迷ったときほど、一人で判断せず、誰かに相談することをおすすめします。
録音の技術は年々進化しています。使い方も、それに合わせて見直す必要があります。
古い機器を使い続けている場合は、録音の質にも注意してください。
会話の内容だけでなく、録音した経緯も、あとで説明できるようにしておくと安心です。
録音データを誰かに預ける場合は、扱いについてもよく話し合っておいてください。
感情が高ぶった状態での録音は、あとで聞き返すのがつらいこともあります。心の準備も必要です。
録音を集めることに気を取られすぎず、ご自身の生活も大切にしてください。
証拠集めは、目的ではなく手段です。何のために録るのかを、時々思い出してください。
私のところでは、録音の内容そのものより、これからどう使うかを一緒に考えます。
迷ったら、まず話を聞かせてください。それだけでも、次の一歩が見えてきます。
よくあるご質問
録音していることを、相手に伝える必要がありますか。
自分が当事者の会話であれば、伝える義務はありません。ただし場面によって考え方が変わるので、不安な場合はご相談ください。
スマホの録音アプリでも証拠になりますか。
なります。日時が記録され、内容が明瞭であれば、機器の種類は問いません。バックグラウンドで録れる機能を使う方も増えています。
録音データはどう保管すればいいですか。
上書きされないよう、別の場所にコピーを取っておいてください。ファイル名に日付を入れておくと、あとで整理しやすくなります。
相談だけで終わって、大丈夫です。話を聞いた私が、そのまま夜の現場に出ます。
お電話は9時から21時まで受け付けています。最初の一言は「相談したい」だけで構いません。