
浮気の相手への請求を考えるとき、相手にも事情があるかもしれないという視点を、まず持っておいてください。
「浮気の相手にも、きちんと請求したいです」。そうおっしゃる方に、まず伺うことがあります。「相手の方にも、事情があるかもしれません。それでもよろしいですか」。
意地悪で聞いているのではありません。この確認をしておくと、あとの進め方が落ち着きます。
請求できる根拠
不貞行為は、民法709条・710条にいう不法行為にあたり、精神的な損害への賠償請求ができるとされています。
配偶者と相手方は、共同不法行為者として719条により連帯して責任を負います。ただし、連帯ということは、損害額の合計を超えて、二重に受け取れるわけではありません。
請求先を配偶者だけにするか、相手方も含めるかは、後になって変更しにくい判断です。最初の段階で、どちらに重きを置くかを整理しておくと進めやすくなります。

相手にも事情があるかもしれない
相手方が、配偶者の婚姻状況を知らなかった、あるいは知らされていなかったという場合もあります。
この事情は、責任の有無や金額の判断に影響することがあります。決めつけて進めるより、事実を確認してからのほうが、結果として揉めにくいです。
感情が高ぶっているときほど、決めつけたくなるものです。それでも一度立ち止まって、分かっていることと、分かっていないことを分けて整理してみてください。
時効も頭に入れておく
請求には期限があります。民法724条により、損害と加害者を知った時から3年、不法行為の時から20年です。
「まだ大丈夫」と思っていても、知った時点から数え始めていることに気づいていない方もいます。早めに弁護士に相談し、時効の起算点を確認しておいてください。

交渉は、弁護士に任せる
相手方への請求や交渉は、弁護士法72条により、報酬を得て行えるのは弁護士に限られます。
私のところでできるのは、相手方の特定や行動の記録までです。そこから先の連絡は、弁護士を通していただく形になります。直接連絡を取ろうとすると、話がこじれることも少なくありません。
請求の手紙を送るタイミングも、慎重に考えたほうがいい場面があります。感情が高ぶったまま送ると、話がこじれやすくなります。
相手方の生活状況によっては、支払い能力の面で、思うような金額にならないこともあります。現実的な見通しも、あわせて聞いておいてください。
請求そのものをしない、という選択をされる方もいます。区切りをつけることを優先する考え方も、間違いではありません。
相手方への請求を進めるかどうかは、配偶者との関係をどうするかという判断とあわせて考える方が多いです。両方を切り離して考えるのは、実際には難しいものです。
感情の整理がつかないうちに、直接連絡を取ろうとする方もいますが、これは避けたほうがいい行動です。かえって不利な状況を招くことがあります。
請求を進めると決めた場合も、途中で気持ちが変わることはあります。手続きの途中で立ち止まる権利は、依頼した側に残されています。
請求の話が進むと、配偶者との離婚協議にも影響が及ぶことがあります。両方の手続きが同時に進む場合は、情報の整理がより大切になります。
感情的なしこりが残ったままだと、金額の話し合いも難航しやすくなります。時間をかけて気持ちを整理することも、手続きの一部だと考えてください。
請求の結果がどうであれ、記録として残した事実そのものには意味があります。今後の生活を考えるうえでの材料にもなります。
一度立ち止まって考える時間を持つことも、決して遅れにはなりません。ご自身のペースで、判断を進めていただければと思います。
よくあるご質問
配偶者と相手方、両方に請求できますか。
できますが、719条により連帯責任のため、損害額の合計を超えて二重に受け取ることはできません。
相手方が結婚を知らなかった場合はどうなりますか。
知らなかった事情が認められると、責任の有無や金額に影響することがあります。詳しくは弁護士にご確認ください。
請求するかどうかは、あとで決めても間に合いますか。
時効がありますので、早めに弁護士へご相談ください。調査で行動と特定の記録だけ先に残しておくことも可能です。
相談だけで終わって、大丈夫です。話を聞いた私が、そのまま夜の現場に出ます。
お電話は9時から21時まで受け付けています。最初の一言は「相談したい」だけで構いません。