
撮影でできることと、できないこと。基準になるのは公道か私有地かです。
「どこまで撮影していいのか」というご質問を、よくいただきます。基準になるのは、公道にいるか、私有地にいるかです。この線引きさえ押さえておけば、迷うことは少なくなります。
公道からの撮影
公道や、誰でも入れる場所から見える範囲を撮影することは、基本的に問題になりません。歩いている姿、店に入る場面などが、これにあたります。誰もが同じように目にできる光景だからです。
望遠レンズを使うこと自体も、公道からの撮影である限り、直ちに問題にはなりません。
商業施設の駐車場や、飲食店の店先など、不特定多数が出入りする場所も、同じ考え方で扱っています。私有地であっても、営業中で誰でも入れる場所は、この範囲に含めています。

動画で撮影する場合
静止画だけでなく、動画で記録することもあります。基準は同じで、公道から見える範囲にとどめるという考え方に変わりはありません。
動画は、人物が同一人物だと分かる連続性を示しやすい利点があります。一方でデータ量が大きくなるため、保管と受け渡しの方法もあわせて考えます。用途に応じて、静止画と動画を使い分けています。
どちらの形式で残すかは、報告書の目的によって決めています。連続した行動を示したい場面では動画が、時刻を明確に示したい場面では静止画が向いています。
私有地に踏み込まない
一方で、敷地の中に入って撮影することは別の話になります。住居侵入(刑法130条)は、正当な理由なく人の敷地や建物に立ち入ることで成立します。3年以下の拘禁刑または10万円以下の罰金と定められています。撮れる写真の価値より、この境界のほうが重いと考えています。
マンションの共用部分も、居住者以外が自由に立ち入れる場所ではありません。エントランスの先まで入って撮影することは避けています。オートロックの内側も同様です。
来客用の駐輪場や、宅配ボックスの周辺など、判断に迷う場所については、そのつど自分の中で線を引き直し、迷ったときは撮らない方を選ぶようにしています。証拠の量より、方法の正しさを優先しています。
庭先や駐車スペースであっても、敷地内であれば同じ扱いです。塀の外から見える範囲かどうかを、常に基準にしています。判断に迷う境界線上の場所も実際にあります。

窓の中まで写すかどうか
室内の様子が、窓越しに写り込むことがあります。意図して室内を狙うのではなく、公道から自然に見える範囲にとどめるという考え方をしています。
プライバシーへの配慮は、証拠としての価値とは別に、常に意識しておくべきことだと考えています。必要以上に撮らないという判断も、技術のひとつだと思っています。何を撮らないかを決めることも、仕事のうちだと考えています。撮る技術と、撮らない判断は、同じくらい大切です。
音声の記録について
写真や映像だけでなく、公共の場での会話が自然に記録されることもあります。会話の当事者ではない立場での録音には、写真以上に慎重な判断が必要です。
この点は状況によって扱いが変わるため、迷う場合はそのつど確認しながら進めるようにしています。
撮った写真の扱い
撮影した写真は、報告書として整理し、依頼者にお渡しします。目的以外での使用や、第三者への提供は行いません。
私有地に踏み込んでしまった写真は、報告書に使えないだけでなく、調査全体の信頼を損ねます。境界を守ることは、証拠を守ることでもあります。
よくあるご質問
相手の家の敷地に入って写真を撮ってもらえますか。
できません。住居侵入にあたるおそれがあり、そうして得た写真は証拠としても使いにくくなります。境界の外から粘り強く見る方法を考えます。
車のナンバーを撮影しても大丈夫ですか。
公道上で見える範囲であれば問題ありません。行動の記録として、よく使われます。所有者の照会は、また別の手続きが必要になります。弁護士を通じて確認する形が一般的です。
望遠レンズでの撮影は違法ではないのですか。
撮影する場所と、写す対象によります。公道から見える範囲であれば、レンズの種類自体が問題になることはありません。
相談だけで終わって、大丈夫です。話を聞いた私が、そのまま夜の現場に出ます。
お電話は9時から21時まで受け付けています。最初の一言は「相談したい」だけで構いません。