
「相手を特定してほしい」というご依頼で、実際にどこまで分かり、どこから先は弁護士の領分になるのかを書きます。
「相手が誰か、特定してほしい」というご依頼を、よくいただきます。
先にお伝えしておきたいのは、特定には、できる範囲とできない範囲があるということです。
写真と行動から、分かること
尾行と撮影で分かるのは、外見・立ち寄る場所・車の有無・生活のリズムです。
何度か行動を追ううちに、住んでいる建物や、勤め先の見当がつくこともあります。
1回だけの結果で決めつけず、複数回の行動を重ねて見ることで、確度は上がっていきます。

氏名そのものを、最初から知る手段はありません。建物や勤務先が分かってから、そこを起点に確認していくという順番になります。
表札、郵便受けの名前、社名の入った物。こうした手がかりが、氏名にたどり着く道筋です。
できないこと
戸籍を取り寄せる、住民票を請求する。こうした手続きは、私にはできません。弁護士を通じた手続きの領分です。
本人や家族に直接尋ねる、勤務先に電話して確認する、といった方法も取りません。相手に気づかれた時点で、調査は終わってしまいます。

情報を重ね合わせて、確度を上げる
1つの手がかりだけで結論を出すことはしません。服装の特徴、立ち寄る店、行動の時間帯。こうしたいくつもの情報を重ね合わせて、同一人物かどうかを確かめます。
この積み重ねには、時間がかかります。急いで1つの情報だけで決めつけると、あとで違っていたということが起こります。
正直に書きます。行動範囲が狭く、手がかりが少ない相手の場合、特定まで届かないこともあります。
その場合でも、それまでに集めた記録は残ります。途中で終わっても、集めたものが無駄になるわけではありません。
勤務先らしき名前、乗っている車の色、よく行く店。断片的でも構いません。分かっている情報は、先にお話しください。
手がかりが多いほど、調査の的が絞れます。少ない情報から広く探すより、確実に進みます。
似た人物と、取り違えないために
似た車種や、似た年格好の人を、別人と取り違えてしまうことがあります。複数の手がかりが同時にそろって、初めて同一人物だと判断します。
1つの特徴だけで決めつけず、日を変えて、違う場面でも同じ人物かどうかを確認するようにしています。
特定を急ぐと、かえって遠回りになる
早く名前を知りたいという気持ちは、よく分かります。ただ、急いで無理な方法を取ってしまうと、相手に気づかれて振り出しに戻ることがあります。
急がば回れという言葉のとおり、確実な手がかりを一つずつ積み重ねるほうが、結果的には早く終わることが多いです。
弁護士へつなぐタイミング
住所や勤務先が絞り込めた段階で、弁護士へのご相談につなぐことがあります。そこから先の正式な手続きは、弁護士の領分になります。
顧問弁護士がいらっしゃらない場合は、こちらからおつなぎすることもできます。ご希望があれば、遠慮なくお申し付けください。
積み重ねた写真は、日付順に整理して保管します。同じ場所、同じ服装が繰り返し写っているかどうかを見比べることが、特定の精度を上げる作業になります。
手がかりが少ない段階では、候補となる建物や車が複数浮かぶこともあります。そこから絞り込むには、さらに日数をかけて確認を重ねる必要があります。焦らず、確実な材料をそろえることを、いつも優先しています。
特定作業と、尾行の記録は連動している
相手の特定は、単独の作業として進めるものではありません。普段の尾行で撮影した写真や、立ち寄り先の記録を、時系列に並べ直しながら、少しずつ人物像を絞り込んでいきます。1回の尾行で得られる情報は限られていても、複数回分を重ね合わせることで、点だった情報が線としてつながっていきます。
依頼者の方が知りたいのは、多くの場合「名前」よりも「関係の実態」です。氏名までは分からなくても、勤務先や生活のパターンが分かるだけで、次に取るべき行動が見えてくることは少なくありません。特定という言葉にとらわれすぎず、何のために知りたいのかを、あらためて整理していただくことをおすすめします。
特定にかかる費用は、手がかりの量によって変わります。見積もりの段階で、上限を決めておくと、際限なく費用がかさむことを防げます。
よくあるご質問
住所と氏名、両方とも分かりますか。
状況によります。住所は行動から絞り込めることが多いですが、氏名の確定までは弁護士を通じた手続きが必要になる場合があります。
SNSを調べて特定してもらえますか。
SNSに公開されている情報の確認はできます。ただ、なりすましてメッセージを送るような方法は取りません。
特定にどれくらい日数がかかりますか。
相手の行動範囲によって差があります。手がかりが多い場合は数日、少ない場合はもう少しかかることがあります。
相談だけで終わって、大丈夫です。話を聞いた私が、そのまま夜の現場に出ます。
お電話は9時から21時まで受け付けています。最初の一言は「相談したい」だけで構いません。