
動画が撮れれば安心、というものではありません。何を、何のために残すかで、向いている記録の形は変わります。
「動画で撮ってもらうことはできますか」。ご相談のときに、よくいただく質問です。動画のほうが、写真より雄弁だと考える方は多いです。
たしかにそういう面はあります。ですが、動画にすれば安心、というものでもありません。何のために記録するかによって、向いている形は変わってきます。
スマホのカメラでも、日常的な記録には十分使えます。ただ、遠くからの撮影や暗い場所になると、専用の機材のほうが安定した画質になり、あとから見返したときの分かりやすさも違ってきます。
何を残すかより、何のために
ご自身が状況を理解して、気持ちを整理するために残すのか。今後の話し合いや、家庭裁判所での手続きに使うために残すのか。目的によって、必要な記録の形が違ってきます。
気持ちの整理のための記録と、手続きに使う記録とでは、求められる正確さも変わってきます。目的を最初に決めておくと、あとの相談がスムーズです。
目的が曖昧なまま撮り始めると、あとになって必要な場面を撮り逃していた、ということも起こります。
静止画に向いていること
静止画には、撮影した日時の情報が残ります。一枚一枚に時刻があることで、いつ、どこで、何があったかを積み重ねて示すことができます。
家庭裁判所や弁護士に見せる場面では、時系列に並べた静止画のほうが扱いやすいと聞いています。並べ方一つで、読む人の理解のしやすさが変わります。
撮影したデータは、加工していない元のファイルのまま残しておくことも大切です。日時の情報や、撮影した機器の情報が、あとで必要になる場面があるためです。

「何枚あれば足りますか」と聞かれることがありますが、枚数そのものより、合流してから別れるまでがつながって読めるかどうかのほうが大事です。
一枚だけでは、その瞬間を切り取ったものにしかなりません。時刻の入った何枚かが並ぶことで、初めて経過になります。
動画にしかできないこと
一方で、動きそのもの、繰り返しの様子は、動画でなければ伝わらないことがあります。手をつないで歩く、二人で車から降りる、といった一続きの動きです。
繰り返し同じ行動が見られるかどうかを示したいときは、動画のほうが説得力を持つことがあります。一度きりの場面と、繰り返しの場面とでは、伝わる意味合いが変わってきます。
ただ、長い動画をそのまま見ていただくことは、あまり現実的ではありません。実際にお渡しするときは、要点となる場面を静止画として書き出すことが多くなります。

動画は容量も大きく、あとから見返すにも時間がかかります。要点を絞った静止画のほうが、結局は分かりやすいことが多いです。
保管する場所やファイルの整理も、あとで見返しやすくするための大事な作業です。日付ごとにフォルダを分けておくだけでも、あとの確認が早くなります。
残すなら、こう書いておく
依頼を決める前の段階でも、ご自身でできる記録があります。難しいことではありません。
「9月3日(木)21時50分 いつもと違う道を帰ってきた」
「9月5日(土)22時30分 外出先を聞くと言葉を濁した」
「9月8日(火)23時10分 スマホを裏返して置くようになった」
日付と曜日と時刻、見えたことだけを書きます。感じたことまでは書かなくて構いません。記憶はあとで薄れますが、記録は薄れません。
相談の場でも、この形の記録があると話が早く進みます。撮影のことを考える前に、まずここから始めていただければと思います。
撮れること、撮れないこと
この段階で私にお願いいただけるのは、状況を伺うことと、記録の取り方をお話しすることです。見積もりのご相談もできます。
一つだけ、はっきりさせておきたいことがあります。家の中に入って撮影することは、私たちにはできません。撮れるのは、外から見える範囲だけです。
相手のスマホを操作して、中の写真ややり取りを確認することもお引き受けしていません。同意のない閲覧は、あとで別の問題を生むことがあるためです。撮影も記録も、見える景色の中でできることに限られます。
よくあるご質問
動画と写真、両方を残してもらえますか。
状況に応じてご案内します。基本は日時のわかる静止画を中心に記録し、動きに意味がある場面だけ、補足として動画を残すという組み合わせが多くなります。
スマホの動画でも証拠になりますか。
なることはありますが、撮影した人や日時がはっきりしないと、扱いが弱くなることがあります。編集の有無も見られますので、詳しくは相談時にご確認ください。
報告書には動画がそのまま添付されますか。
基本的には、時系列に並べた静止画を中心にした報告書になります。動画の生データをどこまでお渡しできるかは、ご依頼の目的によってご相談のときにお話しします。
相談だけで終わって、大丈夫です。話を聞いた私が、そのまま夜の現場に出ます。
お電話は9時から21時まで受け付けています。最初の一言は「相談したい」だけで構いません。