
距離の取り方、交代のしかた、次の行動の予測。一般論として、尾行の中身を書きます。
尾行と聞くと、後ろにぴったりついて歩く場面を思い浮かべる方が多いようです。
実際は、かなり違います。
基本は、離れること
尾行でいちばん大事なのは、近づくことではなく、離れることです。
近すぎれば気づかれます。信号一つ、車二台分の距離を保つことが、むしろ基本になります。

同じ人物がずっと後ろにいると、それだけで気づかれる可能性が上がります。
複数人で位置を入れ替えながら追うのが、基本の形です。
前を歩く人、反対側の歩道を歩く人、車で並走する人。役割を分けています。
無線やメッセージで、位置と状況を細かく共有しながら動きます。
カメラや双眼鏡といった道具も使いますが、いちばん使うのは自分の目です。
機材に頼りすぎると、かえって不自然な動きになります。自然に、その場に溶け込むことのほうが大事です。
服装も、場所に合わせる
目立たない服装というと地味な色を思い浮かべるかもしれませんが、実際はその土地に溶け込む服装のほうが正確です。
住宅街ではカジュアルに、繁華街では周囲に合わせた装いに。場所ごとに着替えることも、めずらしくありません。
追いながら、次にどこへ向かうかを考えています。
駅に近づけば、どの路線に乗りそうか。車であれば、どちらの車線を選ぶか。
後ろからついていくだけでは、曲がった瞬間に見失います。先回りする発想が要ります。
正直に書きます。見失うことは、あります。
信号、人混み、乗り換え。条件が悪ければ、どれだけ経験があっても起こります。
見失ったときにどう立て直すかが、経験の差になります。次に現れそうな場所で待つ、といった判断です。
記録との関係
尾行そのものは、あくまで手段です。
目的は、いつ・どこで・誰と何をしたかを記録することです。追うことに気を取られて、時刻の記録が抜けては意味がありません。
駅の構内は、人が多く紛れやすい一方、行き止まりも多く、見失うと立て直しにくい場所です。
改札の位置、ホームの階段、出口の数。事前に地理を頭に入れておくことが、駅での尾行では特に重要になります。
尾行は、経験を積むことでしか身につかない技術です。最初は距離感がつかめず、近づきすぎることもあります。
ベテランと組んで現場に出て、少しずつ感覚をつかんでいきます。
尾行だけが仕事ではない
尾行は調査の一部分にすぎません。張り込み、聞き込み、記録の作成。それぞれの技術を組み合わせて、ひとつの報告書ができあがります。
尾行は、対象者の行動範囲や移動手段によって、かかる時間が大きく変わります。
徒歩だけで完結する場合と、電車や車を乗り継ぐ場合とでは、必要な人数も変わってきます。事前にどのくらいの範囲を動きそうか、うかがっておくことが計画の第一歩です。
対象者が徒歩から電車、電車から車へと乗り継ぐ場合、尾行の難度は一気に上がります。
乗り継ぎのたびに、担当を切り替える調査員を配置しておくことが、見失わないための備えになります。
長時間の尾行での集中力
長時間の尾行では、集中力の維持そのものが課題になります。
一定時間ごとに担当を交代し、常に新鮮な目で見られる状態を保つようにしています。
夜は視界が悪くなる一方、人通りが減るぶん、距離の取り方はより慎重になります。
街灯の少ない道では、車のライトの使い方ひとつで気づかれることもあります。
尾行の最中は、時刻と場所をこまめにメモしています。
あとで報告書にまとめるとき、記憶だけに頼ると誤差が出るためです。その場での記録が、正確さの土台になります。
尾行に必要な体力
長時間立ち続ける、歩き続けるという意味で、尾行には体力も必要です。
季節や天候に応じて、無理のない体制を組むことも、仕事の一部です。
よくあるご質問
尾行は何人で行うのですか。
内容によりますが、複数人で組むことが多いです。1人での尾行は、見失うリスクが上がり、記録も手薄になりがちです。
雨の日や混雑した場所でも尾行できますか。
できます。むしろ雨や人混みは、距離を詰めやすい条件でもあります。天候に合わせて服装や道具を変えて対応します。
尾行に気づかれた場合はどうするのですか。
その日は追うのをやめます。気づかれた状態で続けると、対象者の行動が変わってしまい、記録の意味が薄れるためです。
相談だけで終わって、大丈夫です。話を聞いた私が、そのまま夜の現場に出ます。
お電話は9時から21時まで受け付けています。最初の一言は「相談したい」だけで構いません。