
車は、生活の中でいちばん痕跡が残る場所です。ただし、見ていい範囲と、見てはいけない範囲があります。
家の中はきれいに片づけられても、車の中はそのままになっていることがあります。
密室で、自分だけの場所だと思われているからです。相談の中で、最初に何かが見つかる場所として、車はかなり上位に来ます。
座席の位置が変わっている
いちばん多いのが、助手席の位置です。
シートが前に出ている。背もたれの角度が違う。戻し忘れは、意外なほどよく起きます。身長差があると、そのままでは座れないので気づきます。
同じ理由で、バックミラーの角度、シートベルトの高さ、エアコンの吹き出し口の向きも変わります。

においと、小さなもの
芳香剤が変わった。今まで使っていなかった種類になった。あるいは、急に強くなった。
においを消そうとした結果として強くなることがあります。においそのものより、変わった時期を覚えておいてください。
落ちているものでは、髪の毛、レシート、駐車券、飲みかけのペットボトル、コンビニの袋。買った覚えのない飲み物が入っていることもあります。
ドライブレコーダーについて
最近は、ほとんどの車についています。前方だけでなく、車内を撮るものも増えました。
自分名義の車、あるいは家族で使っている車の記録を見ること自体は、多くの場合、問題になりません。ただし、次の点は気をつけてください。
- 相手の名義の車を、無断で操作する
- 記録用のカードを抜いて持ち帰る
- 新たに機器を取り付ける
3番目は特に注意が必要です。相手の車に無断で位置が分かる機器を取り付ける行為は、法律で禁じられています。これは別の回に、条文とあわせて詳しく書きます。
見た記録の残し方
見たものは、その日のうちに書いてください。写真を撮るなら、日付が分かる形で。
大事なのは、片づけないことです。位置を戻したり、レシートを捨てたりすると、あとで確かめられなくなります。見つけたままにして、記録だけ取ってください。
見つかっても、まだ動かない
車から何か出てくると、その日のうちに問い詰めたくなります。気持ちとしては当然です。
ただ、レシート1枚では、たいてい言い逃れができます。「取引先と行った」「同僚と行った」。そう言われて、次にこちらが出せるものがなければ、そこで止まります。
止まったあと、相手は車の中をきれいにします。次からは何も残りません。
出てきたものは、しまっておいてください。使うときは、まとめて使うほうが効きます。
走行距離と給油の記録
車で見落とされやすいのが、走った距離です。
通勤だけなら、月に走る距離はほぼ一定になります。そこから外れた月があれば、どこかに余分に走った日があるということです。
確かめる方法は、いくつかあります。給油のレシート、車検や点検の記録簿、カーナビの履歴、任意保険の走行距離の申告。いずれも、家の中で見られる範囲にあります。
ナビの目的地履歴は、消されていることがあります。消えていること自体が、1つの記録になります。
車を「片づける」ようになったら
逆の変化もあります。散らかっていた車内が、急にきれいになる。
洗車の頻度が上がる。車内用の掃除機を買う。マットを替える。それ自体はよいことですが、何もなかった人が急に始めることは、あまりありません。
同じ時期に芳香剤が変わっていたら、あわせて記録しておいてください。においを消す作業と、片づける作業は、たいてい同時に始まります。
ここでも、こちらから片づけを手伝う必要はありません。見て、書いて、そのままにしておいてください。
よくあるご質問
自分名義の車のドライブレコーダーを見るのは、問題ありませんか。
自分の車の記録を自分で見ることは、通常は問題になりません。ただ、映っている相手の扱いには配慮が要ります。ネットに上げるなどは別の問題になります。
レシートは写真に撮るだけでいいですか。
撮ったうえで、そのまま元に戻しておいてください。持ち去ると気づかれます。日付・店名・金額が読める写真であれば十分です。
車内から髪の毛が出てきました。調べられますか。
毛髪から個人を特定する検査を扱う業者はありますが、費用が高く、結果が交渉で効く場面は限られます。まずは行動の記録を優先されるほうが、費用対効果は高いです。
相談だけで終わって、大丈夫です。話を聞いた私が、そのまま夜の現場に出ます。
お電話は9時から21時まで受け付けています。最初の一言は「相談したい」だけで構いません。